第5話 真夜中の厳しい現実
・・・・・・・・・・・・
夢の中にいるかのようなフワフワした意識から、急激に浮き上がるような感覚
・・・・・はっ!
私は目覚めた
また知らない部屋だ
前回とは違う部屋の内装・・
そして
男の手の平を握って開いて握って開いて
はぁ、見事に私の手だわ
「鏡よ鏡」
「はい、王妃様」
呼び掛けるとすぐに出てくれる私の使い魔
「ここは・・前にも聞いた通り、異世界で間違いはないのね?」
「はい、王妃様。この世界は元いた世界とは異なる世界で間違いはございません」
はぁ・・たちの悪い夢とかではないのね・・
ため息と共に下を向くと、男の手である私の手
「鏡よ、私の体は元に戻るの?」
「はい、王妃様。ただし、王妃様の仮宿であるその者の召喚理由、この世界にいる魔王を倒すことを達成した後、強制送還魔法により体はこの者の世界に体は戻りますが、この世界とその世界の狭間にて・・」
「ちょっと待って、鏡。と言うことは、すぐに元に戻れないってことっ!?」
魔王と言うと魔物、もしくは魔族の王様ってことかしら?王様を倒すと言うことは・・
「どう考えても相当な期間が必要じゃない!!」
「王妃様・・」
はぁ、まったく何を考えているのよ、召喚者はおバカさんなの?それともこの者にそれほどの力が??
静かに身体の隅々まで意識を巡らしていく
んー、確かに高いレベルの身体能力とスキル構成、加護・・・・無理ね。個人戦なら何とかなりそうだけど、集団戦に必要な指揮系の能力が皆無。これでは生き残るので精一杯ね
「こんな低スペックで一国を滅ぼせなんて無理よ、なんで元に戻るための前提条件が、こんなに厄介なのよ・・」
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