第74話 残花の祠 ①

 魔族の領地から帰ってソフィアを王城のマリア達にソフィアを預け、その足でロックの元に行き残花の祠の許可書を受け取った。


 洞窟に足を踏み入れるトワ、洞窟内は暗くは無く歩き易く危険が無いと思われる、残花の祠は攻略難易度最高峰の一つに数えられている、にも拘らず警備要員の姿は無く誰でも入ることが出来るが誰とも会わずに行き止まりに辿り着く。


 壁を見るとあからさまな窪みが有ったが、ロックに許可書を受け取る時を思い出す。


 * * *


「今回の護衛ご苦労、これが報酬の残花の祠の許可書だ」


 ロックは机の引き出しから小箱を取り出してトワに渡す、許可書は鍵の形をしていた。


「この鍵は?」


「残花の祠で必要な場所がある」


「必要な場合?」


 ロックは先ほどから鍵ではなく許可書と念を押す、そして使用ではなく必要と言っている、詳細を聴こうとロックに聞くが。


「自分の目と思考で考えろ」


 暖簾に腕押しの状態でロックは有無を言わさずに酒瓶を開けトワ話は終わりだという姿勢をとる。


「マスター何しているんですか」


 扉の所にミリアが仁王立ちでいた、トワはミリアが部屋に接近して来る事に気が付いたが、ロックに対しての意趣返しとして言わずにいた。


「いや、これは違うんだミリア」


「じゃあ、頑張れよ」


 トワはニヤケながらギルドマスターの部屋から退出した、扉を閉めるとロックの悲鳴が聞こえる、ロックの無事を祈ってやり残花の祠と向かった。


 * * *


 ロックの話を考慮すると窪みはトラップであるだろう、センサーを使い行き止まりの壁を調べる、センサーの反応は地面に有った、地面を調べると蓋がしてあり蓋を開けると許可書、鍵の形の溝が露になる。

 トワは許可書を取り出して嵌め込むと、行き止まりだった壁が左右に開き地下に続く階段が現れた、許可書を仕舞立ち上がり汚れを払いながら言う。


「さて、ニーナこの地下には何があるやら」


『マスター、その先は障害が酷くて通信やその他装備の使用が出来なくなると予測されます』


「対策は?」


『限定的に装備を解放、火薬兵器の使用許可ですがご希望は?』


「SIG*MPX-Pを二挺、指向性爆薬、グレネード各種以上を申請」


『申請を受理、転送開始』


 ニーナが言って直ぐにトワの前に黒い色の箱が転送されてきた、トワは箱を開けガチャガチャと転送された装備を身に付ける。


「これより残花の祠攻略を開始する」


『任務の報告をお待ちします』


 ニーナとの通信を切り地下への階段に足を掛ける降りる。

 階段を降りきるとやはり明るく危険を感じる事は無く、道は一本道であり警戒しながら足を進めが、このどこに難易度最高峰を感じればいいのか分からないと、小部屋に差し掛かり足を踏み入れた瞬間、入ってきた入り口がもの凄い勢いで閉まり替わりに部屋の左右が開く、その中から現れたのはリビングデッドが大量に現れた。


「物言わぬ死体がお出迎えか」


 トワはやれやれと腰から何時も通りにナイフを抜き戦闘態勢を取る。


 ただの死体に戻どして先を行くとするかと、リビングデッドに飛び掛かる。

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