第27話 国葬
遂に国葬の日になった、教会の地下に潜ってからの数日間はアリアナの護衛やエリザの体調管理などのして過ごした。
王国には国外から沢山の来賓が訪れていた。
教会騎士のマルキスに司祭が有明の翼だった事と国葬の日は教会から人を遠ざける様に伝えた。
マルキスは司祭を拘束せずに泳がせて他のメンバーとの接触を待っているため今サクラが監視として付いている。
トワは王族の護衛として立っているが来賓や一般市民がやたらと見てくる。
儀仗用の礼服も黒が基調で腰に細身の剣を下げ服の上に黒衣の外套を着てフードで顔を隠しているためだろう。
最初はベガ国王に来賓として参列をお願いされたが、アラモが起動する時に即対応出来るよう警護にしてもらった。
各国の代表だけにユリアナ教会の司祭は有明の翼のメンバーだった事とを通達して有事の際は協力の了承を取り付ける。
これで司祭が舞台に立てば主だった者は警戒心を強めるだろう、そうすればアラモが起動するがこの世界でレイドを起動させれば遅かれ早かれ起動するのだから、目の届くうちに憂いを排除しよう。
しかしなぜアラモがこの世界に存在するかが分からないがそれはニーナに任せこちらは現場仕事に励むことにする。
遺体の無いコフィン型の柩が列をなして運ばれてくる、参列者の中には啜り泣く者がおり隣人の物が手を差し出している。
王城の広場から城下町を回って再び広場に到着すると国王のベガが式の挨拶をする。
「本日は我が息子と勇敢な兵士達の為にお集まり頂感謝します。今回の彼らの行動によりアーイル王国と従う者達は感謝の念を忘れてはいけない、かくも偉大な証績をもってわが国力を衆目に明らかにした彼らは、今日の世界のみならず、遠き末世にいたるまで世人の賞嘆のまととなるだろう」
国王の挨拶が終わると柩に献花して席に戻り、それから国賓達が献花をして王族に声を掛けてから席に戻る。
各教会の代表が祈りを捧げている、ユリアナ教会の司祭が壇上に立つと事情を知ってい人達から緊迫した空気が流れくる。
突如大地が揺れるとユリアナ教会の方から土煙が巻き上がり煙の中からアラモが出てくると開場は騒然となり人達は逃げ惑う。
「コールレイド、リモートセットアップ、ライフルスタンバイ3点バースト、ファイア」
トワは物陰に隠れながらアラモの方を見てデバイスを操作していると、
遠く彼方から轟音より先にアラモに衝突する物があり、アラモは姿勢を崩したがアラモの回りに薄い膜のようなものが見えた。
「シールドが生きていたか‼」
アラモは胸部の装甲が開くとトワは舌打ちしながら走り出す。
「ディザスターは使わせない」
曲がり角からアリアナとエリザが出てくるがその後ろから司祭がナイフを突き付けていた。
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