第22話 穏やかな午後
ステラの尋問からようやく解放された、結局昨晩マリアに会ってからの事を一通り話したら、何故か3人は羨ましそうな顔をする。
「マーニャ姉さんに会いに行こう」
アリアナとエリザも「おー」と言って席立ち、ステラがメイドに片付けの指示を出して庭園を出ていくので護衛為に付いていく、エリザの体調を気遣って手を差し出すと、エリザは笑顔で手を握ると服が引っ張られた方を見るとアリアナが手を伸ばしている。
「リア、エリーは病み上がりだからな、急に倒れない様にしているだけだから、それに片手が空いてないとリアの護衛が出来ないだろ」
アリアナは泣きそうな顔になると、ステラが助け船を出してくれた。
「城の中なら早々物騒な事にならないよ、いざと成れば僕が守ってあげるからアリアちゃんの手を握ってあげなよ」
フォローの様なフォローじゃない言葉で逃げ場を無くされたのでアリアナの手を握るとアリアナも笑って歩き出す、まあ両手が塞がっても展開を出来るの物があるから大丈夫だろう。
すれ違う人々が微笑ましい顔で通りすぎる、やはり両手に幼女と歩く姿は部隊の奴らには見せられないなと苦笑する。
マリアの部屋に着くとステラが部屋をノックする、マリアが扉を開けるがトワの顔を見るなり勢いよく扉を閉めてしまった。
「あ、おいマリー」
「うわー、明らかにトワくん避けられてるね、よし、トワくんは部屋の前で待機、行くよアリアちゃん、エリー」
突撃といいながら3人は部屋に入って行く、残された手持無沙汰になったトワは、装備の起動確認をする為に、胸のポケットからモノクル型情報端末を取り出して付ける。
ブレスレット型デバイスを操作して、機能をリンクさせてモノクルの表示をいじっていると、なにやら騒がしい部屋の中からステラが顔を出す。
「トワくん、中に入れる・・よ」
モノクルを付けているトワを見てステラが固まった。
「メガネ男子だ・・・このタイプはいなかった、ヤバい、キュンと来た」
ステラは意味不明な事を言っている。
「大丈夫か」
「え、あ、うん、問題ない問題ない、さあ入ろう」
モノクルを外そうとするとステラがそのまま付けていてと言うので、慣らしがてら付けとく事にするか。
部屋に入るとマリアが外套を持って立っていた。
「あの、昨日の夜はありがとうございました、これ暖かかったです」
マリアから外套を受け取り羽織るとマリアの匂いがした。
「マリーの匂いがするな」
「と、とと、トワ様!?」
マリアは茹で上がった様な顔になり倒れそうになったので抱き止めると、口をあわあわさせて気絶してしまった。
「あちゃー、ダメだよトワくん、マーニャ姉さんは男の人に対して免疫が無いから、例外で父さまとオルにぃとレイにぃだけだから、いくらレイにぃに似てて普通接していても、それは刺激が強すぎだよ」
仕方がないのでマリアをベッドに寝かす為に抱えて行くと、何故か幼女二人から背中をポコポコ叩かれる、まあ痛くないから放置する。
それからエリザの部屋に戻り昼食が準備されていたので皆で食べる事に。
「あ、今日の夕食の時にメイドのキティと摂りたいのだか」
キティとの約束を思い出し告げるとエリザは笑顔で答える。
「トワ兄様、キティさんも御一緒に夕食を摂りましょう」
「いいのか?」
「はい、トワ兄様と食事が出来ない事に比べたら問題ないです、それにキティさんは獣人族から花嫁修行の為にこちらに来られているお客様なので融通が効きますから」
「そうなのか、助かる」
近くにいるメイドにキティへ伝言を頼む、食事が終りソファーで本を読んでいると、アリアナとエリザが本を持って来てトワを挟んで左右に座る、ステラは食後の運動をすると言って訓練所に行った。
「トワ兄様、この本を読んでくださいませんか」
「お兄ちゃん、この本も」
アリアナとエリザが本を差し出すので受け取り、読み聞かせているとアリアナが寄りかかって眠り、エリザは膝の上に頭を乗せて眠ってしまい動きがとれない状態でマリアとステラが部屋に来るまでこの状態だった。
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