第7話 魔法
部屋をもう一度確認するが間違いないので、扉をノックすると、少女の声聞こえてくる
「・・・はい、どうぞ」
扉を開けるとやはりオージは居らず、変わりに少女がいる。
少女を観ると着替え終わっており、年齢は十代半ば位と思われるハニーブラウンの髪をポニーテールにしている活発そうな印象を受ける。
部屋に入ってとりあえず、また眠ったアリアナをベッドに寝かせ少女に向き直る。
「着替え中すいませんでした」
頭を下げて謝る
「もう過ぎた事なのでいいです、次は許せませけど」
「えーと、どちら様ですか、ここはオージとこの子が泊まってはずですが?」
着替え中を覗いてしまったからか、トワは言葉使いが丁寧になっている。
「オージです」
「・・・はい?」
「ですからオージです」
「ちょっと待てください、自分が知っていオージは五十過ぎおじさんだが」
「それはこの指輪の力です」
「それは何ですか?」
「これは魔道具の変幻の指輪と言って自分の知識にある人に成れますが、体型や仕草は変わらないので知っている人が観ればすぐにばれます」
「魔道具?」
「特定の魔法を封じ込めた物の総称です」
(「魔法?ニーナ、魔法に対して検索」)
(【魔法の検索結果、有史初期から科学技術が発展するまでの間に使用された技術の総称です、その技術は
(「了解、それとなく確認してみる」)
「魔法の教育を受けて無いから基本的な事を教えてくれ」
「はい、それでは簡単に大まかに分けると属性魔法、精神魔法、奇跡魔法の三種類に分けられています、属性魔法は名の通り火や水などを使用する魔法で、精神魔法はこの魔道具使用せれている様な幻覚等を引き起こす魔法で、最後の奇跡魔法は神に祈り、肉体の修復や加護を授ける魔法です、後は例外の魔法が幾つか存在しますが希少なのでお目にかかる機会が有ればその時に」
「なるほど、それで指輪を着けてる訳は?」
「私とアリアナ様の女子供だけの二人旅だと何かと物騒なので、あ、指輪で幻影を見せている姿は祖父のオージ・グランベルトの姿を見せていて、私の本当の名前はユーラ・グランベルトです、しかし、もうトワさんにバレましたし、目的地が同じで同行してもらえるなら外していいですね」
ユーラは指輪を道具袋にしまってこちらに向き直る。
「それで何故、トワさんが眠っているアリアナ様を抱えていたんですか?・・・まさか」
「いやいやまてまて、自分の話を聞いてください」
ユーラが勘違いを起こして近くに立て掛けある剣に手を伸ばそうとしたので、トワは慌てて止める。
朝起きると何故かベッドの中でアリアナが眠っていた事と、一度は起きたがその後は起きないのでオージ預ける為に部屋まで連れていってから、朝食を取りに行こうとして着替えを覗いてしまったと説明する。
「・・・分りました、私も朝起きてアリアナ様が居られないので、寝間着から着替えている最中だったので、まさかトワさんの部屋に行かれていたとは思いませんでしたが、アリアナ様が無事だったので不問いたします」
「ふぅ、何故朝からこんなに疲れるんだ、軍の朝の方が全然楽だぞ」
トワは小声で溜息を吐きながら言った。
アリアナの寝ているベッドがもぞもぞ動き出す、どうやらようやく眠っていたアリアナが起きたようだ。
「う~ん、・・・あ、おはようございますお兄ちゃんとユーお姉ちゃん」
トワを観ると笑顔になって挨拶をしてくるのでこちらも挨拶を返す。
「おはよう、アリアナ」
「おはようございますアリアナ様」
「ん~アレ~?ユーお姉ちゃん、指輪外したの?」
「はい、トワさんにバレましたので、それにトワさんがいるなら大丈夫と思い外しました」
「あー、いいか?アリアナが起きたなら朝食を食べに行っていいか?」
「まって~お兄ちゃん、アリアナもいく~」
寝巻きのまま行こうとするので制止させる
「おいアリアナ、分かったから着替えてくれ、食堂で先に行って注文して待っているから、身支度してから降りて来い」
「そうですよアリアナ様、年頃の女性がはしたないですよ」
下に行くと手を振りながら部屋出るトワ、部屋の中からアリアナとユーラの賑やか声が聴こえてくる。
「ふぅー、本当にまだ朝飯を食べていないのに疲れた」
苦笑しながら階段を降りて行くトワだった。
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