第30話 別れの言葉をひとつ


今、崩れる

今までの感覚が。


ぐらぐらぐらと 揺れて

ぼろぼろぼろと 剥がれおちて



鈍色にびいろの自意識の塊が急に小さくなる

それはこどものころのよう


不安定の中の3秒の安定に言葉をつづって。


まだ揺れる

ぐらぐらぐら


すると、その中から

少しだけ綺麗な

錆が落ちた塊が生まれて

膨らんで固まっていく



こうして、大人になった僕は

きっと思春期を終えて



そして詩を学生時代に放棄した

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