とある男の参加理由と末路(5)
「何をやっているんだ、仮間瀬!」
困惑した担任の顔を睨みながら俺は無言を突き通す。怯えて悲鳴をあげた女の顔面を蹴り飛ばし、隣の机ごと内面どころから外見まで醜悪な肥満男を巻き込む。近くから次々と悲鳴が巻き起こる。
「おい、やめろ!」
眼鏡をかけた生徒会長が叫ぶ。生徒会長でありながらあーちゃんのいじめに参加していたこいつの言葉などにオレが耳を貸すと思っているのか。
眼鏡に向けてバットを振りかざす。レンズが割れ、生徒会長の顔に突き刺さり、醜い悲鳴があがった。
「ヒャハ!」
それを見てオレは嘲り哂ってやった。かつていじめられていたあーちゃんを見て無様だと罵り哂ったこいつのように!
「なんで、開かないの!」と扉を引くのは目の率先してあーちゃんをイジメた女。綺麗にしたらとか言ってあーちゃんに女子トイレでバケツに入った水をかけた性悪だ。
「開けよ! おい!」女と一緒に扉を引くのは、サッカー部の主将。こいつは以前あーちゃんにフラれたため、性悪女とグルになってあーちゃんをイジメていた。
「ふざけんなよ」と開かない扉に怒号を浴びせるのは部室で煙草を吸う不良野球部員。
あーちゃんの隣の席で「クセェ、クセェ」と言いやがった。てめぇはヤニ臭ぇくせして。
「助けてよ、先生」縋るように担任に抱きついているのは担任に色目を使うビッチ。 こいつに嫌われたくないから担任はあーちゃんを無視している。もっともそれは一因に過ぎないが。
「助けて、嫌だ死にたくない」座り込み、泣き喚くのは元イジメられっ子。あーちゃんがイジメられてからこいつは率先してあーちゃんをイジメていた。
俺から背を向けたそいつらを順番に叩いていく。叩くたびに声が途切れ、そして恐怖のせいだろうな、悲鳴があがる。
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