帰れない二人
@hitsuji
第1話
高い高い空の下、俺達はグラウンドに散らばっていた。
何故って? だって俺達は野球の守備だからだ。ここは小学校のグラウンド。6限目の体育は野球。
俺のポジションは外野だ。立っている位置から言うともっと専門的なポジション名があるのだろうが、俺は知らない。体育の授業でもない限り俺は野球なんてやらない。どちらかというとサッカー派なのだ。Jリーグなのだ。キングカズなのだ。
でも一応姿勢を低くしてそれっぽい構えをする。野球に対する最低限の礼儀だ。
遠目にバッターボックスを見ると、次のバッターは学年一のスラッガー、キムだった。これはまずい。
バンプオブチキンの歌で調子の出ないスラッガーの歌がある。昔よく聴いた。が、こちらのスラッガーは今日も絶好調。ここまで3打席全てホームラン。俺も一度遠方までボールを拾いに行かされた。
大体にしてキムは一人だけレベルが違った。恵まれた体格、ボールに対するミート感覚、その全てが一級品だった。きっとキムは将来プロ野球選手になるんだろうな。
清原やラミレスみたいな体格になって変わらずホームランを打ち続け、格好いい外車に乗ってアナウンサーのお嫁さんをもらうのだろう。
「外野バック! 外野バック!」
キャッチャーの声がグラウンドに響く。緊張感が走る。俺を含めた数人の外野がコソコソとグラウンドを奥へ下がった。
バッターボックスのキムは全く表情を崩さなかった。一方でピッチャーのタッキは少し緊張した面持ちだった。それもそのはず。彼はここまでこのスラッガーに完膚なきまでにやられているのだ。無理もない。タッキは技術はあるのだが、ここ一番での度胸が足りない。
やがてタッキは覚悟を決め、キャッチャーのサインにうなづいた。そして大振りのフォームから思いっきり白球をキャッチャーへ向け投げた。
いい投球だ。しかしスピードはなかなかだったが、緊張からか少しコースが甘くなった。キムはその隙を見逃さなかった。
キムのスイングと共に、白球は空へ放たれた。それはほんの一瞬で俺の頭上を越えていき、ずっと遠くの草むらの手前で落ち、まるで逃げ出した小動物のようにその中へ転がっていった。
タッキーが項垂れる。
あまりにも綺麗なそして予め決められたようなホームランだった。
試合はキムのいるチームの圧勝だった。負けた俺達のチームは罰として道具を片付ける。俺はこの学校にもう何年いるのか分からないくらいにボロボロになったバット達を集めて体育倉庫へ片付けていた。
体育倉庫の窓から空が見える。6限目終わり15時過ぎの空は青かった。今日の授業はこれで終わりだ。だけど空はまだまだ明るく、俺達にはまだ無限とも思える時間が手付かずで残っていた。
体育倉庫を出るとそこにはキムがいた。
「お疲れ様」とキム。
「うん、お疲れ様」
「なぁ、終礼面倒くさいし抜けださねぇ?」
「えっ、あぁ、うん。いいけど。大丈夫なの?」
普段は真面目なキムからは想像のつかない攻めた提案だった。
「へーき、へーき。行こうぜ」
「うん、でも何処行くの?」
「付いて来なよ。いいとこ知ってんだ」
と言ってキムは笑顔で裏門の方へ駆けていく。何だかよく分からないが俺もキムを追いかける。キムは走るのも速かった。
気付いたら俺はシックなバーに腰掛けていた。手にはウイスキーのオンザロック。向かいには歳老いたバーテン、左側には大人になったキムがいた。
大人になったキムは清原やラミレスとまではいかないが、小学校の時から比べてまた一段と体格がよくなっていた。
「ここ、たまに来るんだ。良い店だろ?」
「うん、良い店だね」
キムだけでなく俺も大人になっていた。着古した黒のスーツを着て、首元はいつも通りのノーネクタイだ。俺はネクタイというものがどうにも苦手なのだ。
「こういう店はさ、女の子とは来ないんだ」
「うん」
「男同士で来るから面白い」
「うん」
「男友達との隠れ家。そんな楽しい場所を女の子に教えるなんて勿体無いだろ? 女の子と行くべき店は他にたくさんあるさ」
俺は黙って頷く。
「ここは会社の先輩から教えてもらったんだ。だから先輩の顔で多少の融通も利く」
「会社? キムは野球選手になったんじゃないの?」
俺はちょっと驚いた。
「野球選手? 俺が?」
キムは不思議そうな顔をした。そして次の瞬間、カウンターを叩いて笑い出した。
「違うの?」
俺はオンザロックに口を付ける。冷たいアルコールが喉を焼く感覚がリアルだった。
「違うよ。俺は大学を出てからずっと商社に勤めてるんだよ。野球選手なんて小学生の頃の夢だよ」
キムはまだ笑っている。小学生の頃と同じ笑顔だ。
「そうなんだ。キム、野球上手だったから。さっきだってあんなに大きなホームラン打ってたじゃない」
「うん、でもね。本当にプロになるような奴はもっともっと遠くまでボールを飛ばせるんだよ。俺にはあれが限界だった」
キムが少し自虐的に笑って水割りに口を付ける。
「もっと遠くに? それはすごい。外野なんて何人いても無駄だね」
「外野なんて無駄だよ。プロ野球選手なんてそういう選ばれた奴等がなるんだ」
キムより遠くにボールを飛ばせる奴がいるなんて俺には想像ができなかった。
「でもな」
少ししてキムが話し出す。
「でもな、俺がバッターボックスに入った時、みんな身構えて後ろに下がってくれるでしょ? あれ、嬉しかったんだ。なんか認められてるみたいで。恥ずかしかったから顔に出さないように頑張ってたんだけど」
「そうなんだ。そんなふうに思ってたなんて全然知らなかったよ」
キムが煙草に火を点ける。セブンスターの上品な煙がバーに舞った。
「キム」
「ん?」
「大人になったんだね」
「うん、大人になったんだよ。俺達、大人になったんだよ」
何だか嬉しかった。でもその反面、すごく悲しかった。やがてキムはセブンスターを灰皿に押し潰した。
「さて」と言ってキムが立ち上がる。
「そろそろ行くよ。もう終礼も終わったはずだ」
「うん、俺ももう少ししたら追いかけるよ」
「終礼をサボって大人になって酒を飲んできたなんて。先生だって考えつかないだろうなぁ」
「酒臭い小学生なんて補導されるぜ」
皮肉っぽく俺は笑う。
「じゃ、またな。また明日学校で」
「うん」
キムが出て行った後のバーは完全な無音だった。バーテンもいつの間にか消えていた。目の前には無数のボトルがディスプレイされている。
俺はこのバーを出ても小学校に戻ることなんてできないことはとっくに気付いていた。
それはおそらくキムも同じだろう。だって俺達はもう大人なんだから。プロ野球選手を諦めるように、人生に何かしらの責任を持たなければならないのだ。
今まで出会ってきた全ての人にもう一度会えたらどんなに素敵だろう。そんな言葉が頭をよぎった。
俺は静かにオンザロックを飲み干しバーを出た。
……
「ふぅ」
……
そこまで打ったところで俺は一旦作業を止めた。
「うーん……」
一度、大きく伸びをしてみる。頭が少しぼーっとした。
腕を組んで画面上のワードプロセッサーを眺めてみる。真っ白だった原稿は今や文字に溢れた一つの作品となっていた。
文字を配列して形にしない限り、妄想はどこまで行っても妄想なのだ。出口のない妄想なのだ。形にして初めて作品になる。だから俺はこうして画面に向かう。
「うーん……」
俺はもう一度伸びをして飲みかけのオンザロックに手を伸ばした。オンザロックを飲んでいたから小説の中にもオンザロックが出てくる。捻りのない男だ。
夜はもう深かった。時計が無いから正確な時間は分からないが、おそらくもう深夜1、2時というところだろう。俺は今夜は早々に仕事を切り上げて帰り、締め切り間近の原稿を書いていた。
すると、目の前のソファで眠りこけていたサヨちゃんが起きた。もぞもぞと身体を起こして眠気まなこを擦った拍子に胸の上に置いてあった漫画が床に落ちてしまった。漫画を読みながら眠っていたのだ。
「おはよう」と俺。
「ううん……おはよう。もう朝かしら?」
「いや、まだ夜だよ。たぶん1時か2時」
「そ、ずっと原稿書いてたの?」
サヨちゃんがソファから立ち上がって床から漫画を拾い上げる。浅野いにおの「うみべの女の子」だった。俺も大好きな漫画だ。「おやすみプンプン」も良かったが、やはり「うみべの女の子」だ。何度も読み直した。
「ずっと書いてたよ。できれば今日中に全部終わらせたいからね」
「今度はどんな小説を書いてるの?」
「うーん、まだ言えない。短編なんだけどまとまりきってないんだ」
俺は普段の会話では思ったことをほぼそのまま話す。大人としては最低だが考えて話すことが苦手なのだ(だからたまにそれが原因でトラブルになることもある)
でもその分、文章についてはゆっくり考える。考えて考えて本当にこれでいいのか考えてから他人に見せ、世間に出す。もちろん考える度に文章は変わる。足したり引いたりの繰り返しだ。たぶん文章に注力するために俺は会話を捨てているのだ。本気でそう思う時がある。
「まだまだ夜は長そうね。ラーメンでも食べる? 変な時間に起きて私もなんだかお腹空いちゃった」
「そうだなぁ……」
そう言われて夕飯を食べていなかったことを思い出した。空腹がいきなり顔を出してくる。
「食べようか」
俺は伸びをして言う。
「うん、そうしましょ。まるちゃんとラ王があるけどどちらがいい?」
「まるちゃん」
「豚骨でいい?」
「うん」
「了解了解。豚骨はコンのだけど、食べちゃいましょ。こんなタイミングでいない奴が悪い」
「うん、いない奴が悪い」
俺は復唱してオンザロックの最後の一口に口を付けた。
コンというのは俺の同僚だ。コンは製造部門に属しており、工場でシステム関係の仕事をしている。営業部門の俺とは勤務地も職種も違うのだが、音楽や本の趣味が合い、仲良くしている。歳は俺よりも少し上だ。
そしてサヨちゃんは彼の奥さんだ。ここはコンとサヨちゃんの家なのである。俺は配偶者と喧嘩をして家を飛び出してからもう半年もここに居候している。
フランクな性格の2人はドブネズミのように街を彷徨っていた俺を優しく受け入れてくれた。
「行くとこがないならうちへ来なよ」
その日、俺とコンはコンの家の近所の河原に寝転んでビールを飲んでいた。
「えっ? いいの?」
不意に優しい言葉をかけられて俺は狼狽えた。この頃にはもう家を飛び出してから3週間程度経っていた。家を飛び出して以降、俺はなんだか世間を全て敵に回したような気になっていた。だから優しい言葉に飢えていたのだ。少し泣きそうだった。
「全然いいよ。いつまでも宿無しじゃ困るだろ?」
「ありがとう。助かるよ」
その日、コンの家に帰るとサヨちゃんもいた。前にも何回か会ったことはあったが、しっかり話すのはこの日が初めてだった。コンから事情を聞くとサヨちゃんも俺の居候を快くオーケーしてくれた。
「気に入ったらいつまででもいてくれていいのよ」
「ありがとう。本当に嬉しいよ」
久しぶりに触れた人の優しさは眩しかった。まるで桃地再不斬に拾われた白のようだった。
一応、月々に気持ち程度の生活費は渡した(金のある月、ない月で金額は大きく変わるのだが)しかし2人はそのほとんどを酒や音楽や本に変えてしまっていた。
見ている限り2人は貯金なんてしている様子はまったくなかった。
遊びたいだけ遊び、使いたいだけ使うという感じだ。まぁ俺もそのクチなのだが、うちは配偶者が全ての金管理をしている。だからおそらく今頃も俺の給料や印税をチマチマと貯金してまだ幼い息子とささやかな暮らしを送っているのだろう。
俺はというとこの半年、現金支給の小さな仕事のギャラで騙し騙し食いつないでいるのだ。
ここにいる分には寝床も、食事も、酒も、本も、音楽にだって困らなかった。だから毎日楽しかった。
家に残してきた配偶者のことが気にならないこともなかったが、喧嘩して家を出た身、同情は禁物だった。家を出てから一度も連絡を入れていない。
「ラーメンできたよ」
キッチンからサヨちゃんがラーメンを2杯、お盆に乗せてやってきた。
「ありがとう」
まるちゃんの豚骨ラーメンは独特の臭みを放ち深夜の空腹を刺激してきた。
「さぁ、さぁ、いただきましょう」
サヨちゃんがそっとステレオを付けた。流れてきたのはダニー・ハサウェイのホワッツ・ゴーイン・オンだ。アルバム「ライヴ」の1曲目である。R&Bのブラックなベースラインが夜に溶ける。まるちゃんの豚骨ラーメンのように俺の敏感な部分を刺激しやがる。
「いいね」と豚骨ラーメンをすすりながら俺。
「うん、美味しいわね」
「あっ、うん。ラーメンも美味いんだけど、ダニー・ハサウェイの話」
「あぁ、そっちね。これ大好きなのよ。私の聴いてきたライブアルバムの中ではダントツで1番よ」
「ライブアルバムかぁ。うーん、俺としてはスティーリー・ダンの『アライブ・イン・アメリカ』も捨てがたいな。あと、くるりの『フィルハーモニック・オア・ダイ』も良い」と俺はラーメンをすすりながら言う。
「確かに『アライブ・イン・アメリカ』も格好いいわ。でもライブの臨場感はダニー・ハサウェイの方が上よ。スティーリー・ダンは何をしても機械みたいなんだもん」
「くるりは?」
「くるりのライブの良さは実際に行ってみないと分からないわよ」
「そういうもんか」
「そういうもんよ」
そうして我々は黙々とまるちゃんの臭い豚骨ラーメンを食べた。その後、俺は原稿の続きを書き、サヨちゃんは再び「うみべの女の子」の世界へ帰っていった。
ダニー・ハサウェイはユーヴゴットアフレンドを歌っている。俺は昔この曲をキャロル・キングの「つづれおり」で死ぬほど聴いた。
朝、エレキギターの音で目が覚めた。辺りはもう明るい。
画面上には完成した原稿が表示されていた。そうだ、何とか昨日最後まで書き上げたんだっけ。寝ぼけた頭で記憶を探る。腕には長時間タイプをしていた後の気怠さが残っていた。まるでハードボイルド・ワンダーランドのシャフリング後みたいだ。
もう一度エレキギターが鳴る。コンの奴が向こうのダイニングで椅子の上に胡座をかいてエレキギターを弾いていた。
「おはよう」
コンがギターを弾きながら言う。
「おかえり。夜勤後なのに元気だね。眠くないの?」
「あんまり眠くないな。と言うか昨日の夜勤は結局やることなくて大体寝てたからあまり眠くない」
うちの会社は大丈夫なのか? と思ったが何も言わなかった。
「朝から何弾いてるの?」
「ん、お前が前書いた詩にコードを付けてたんだよ。これ」
と言ってコンがメモ書きを俺に見せる。「春の欲」というタイトルと詩が書いてあった。紛れもなく俺が書いたものだ。俺は何か別の作業をしている時にフトこの詩を思い付いてメモしておいたのだ。そしてそれを置きっ放しにしていた。
「へぇ、聴かせてよ」
「うん」
コンがスピリットのボロボロのエレキギターを爪弾く。
「春の欲
僕らはいつだって欲張りだ
建前ばかりを考えて
大事なことは後回し
欲望の渦は今日も回る
暖かい空気も全部飲み込んで
抱いてみようか もっと素直に
壊してみようか もっと安直に
許してみようか もっと誠実に
バービー人形みたいな娘達が遊び回るお昼時
世界はもっと美しいはず」
我ながら気だるくなるような生暖かい詩だった。まぁ、疲れてたんだろうな、これを書いた時。
でもコンの作ったメロディーは悪くなかった。奴は元々京都では名の知れたギタリストだったのだ。
「いいじゃない」
「だろ。我ながら良い出来」
「これはブルースなの?」
「うん、そうだよ。これ2番も作ってよ」
「いや、勘弁してくれ。コンが書き足してよ」
部屋を見渡すとサヨちゃんが昨晩と同様、漫画を読みかけのままソファで眠っていた。学ばない女だ。
「そういえば今何時?」
「うーん、9時半くらいじゃないかな」
コンが携帯の時計を見る。
「9時半か……」
イカン。また遅刻だ。と言うより、うちの定時は9時からだからもうすでに遅刻しているのだ。
ここで俺の仕事のことについて少し書こうと思う。
前述した通り、俺は小説などの文章を書く仕事をしている。縁あって幾つかの雑誌に定期的に小説やエッセイを掲載させてもらっているのだ。ささやかながら、何冊か本も出した。そしてそれとは別に、俺はサラリーマンとして印刷物の営業の仕事もしている。つまり、兼業農家ならぬ兼業小説家なのだ。
「行かなくていいの?」
コンの奴が分かりきったことを聞いてくる。
「行くよ」
俺はまだ眠るサヨちゃんを尻目に素早く外出の用意をする。今日は昼前に約束がある。あまり会いたくない客だが仕方ない。ここから直行しよう。
「じゃ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
コンがダイニングから手を振って見送ってくれた。
最寄り駅まで行くと街はもうすっかり活動を始めていた。さっきまでいた起き抜けの空気が嘘みたいだった。
俺と同い年くらいのおっさんが駅前のロータリーを歩いているのが目に入る。彼は忙しそうに電話をかけ、話している内容を手帳に書き綴っていた。
向こう側にはこれまた俺と同い年くらいの貴婦人が歩いている。彼女はまだ小さい2人の子供を連れて膨れ上がった買い物袋を両手に持っていた。
俺と同い年くらい、何かとバタバタする年頃なのだ。俺だってそうだ。毎日何かとバタバタしている。そのベクトルの向きがちょっと普通と違うだけだ。
桜色に染まった街を歩く人々は陽気の中、今日も何かを目的として動いていた。たくさんの春の欲が濁流になって流れていく。
俺という枯葉は今日も無力にそれに流されていた。
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