第5話 入団試験
「これより、入団試験を行う!皆、正々堂々試験を行うように!…健闘を祈る。」
トゥーティさんが、言い放つ。昨晩トゥーティさんが言っていた。「今期の志願兵は10代が多い。…君のお父さんの死は大人の戦意を消失させる事となった。」
辺りを見渡してもやはり同年代しかいない。
トゥーティさんの話が終わると、全員が勇ましく敬礼を向けた。
様々な試験をくぐり抜け、今回残ったのは2,900名程度。志願者はふるいにかけられ、およそ半分となった。
「ここに残った諸君に心から拍手を送る。」
そういうと、トゥーティさんは笑顔で大きく志願兵に拍手をした。それを見た兵士団幹部も同様に続いた。それから、トゥーティさんは、真面目な顔になり
「君たちはもうここで、兵士となった。そこで早速命令を下す。君たちはこのまま最前線に出てもらう!」
その場が一時騒然とした。しかし、トゥーティさんの制止によりまた静まり返った。空気に重みを感じた。
「これについて、プレスト軍事相よりお話がある。」
トゥーティさんはそう告げると、唇を噛み締めながら演台を退いた。大柄で酒好きと噂されるプレスト軍事相は、現役時代はかなりの功績を残した騎士と謳われている。
「我々は新たなる戦力を手にした!…それは君たちのような数の上での話ではない。…力だ!伝説と言われたナイトメアの力なのだ!これで我が王国は全てを制するだろう!……、君たちはその力を持つ者の下で働いてもらう。健闘を祈るぞ。」
そう言うと、プレスト軍事相は、満足そうに帰って行った。
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