人にちらつく死の影は、その人のことを大切に思っている人や、その人自身が愛している人を集めます。集まる人達の関係なんてのはお構い無し。姉と妹の関係からこんなことを考えました。
病気や病状、治療器具等の細かい描写は仮に読者がその全てをわからなくても、登場人物達がぶつかっている事態の深刻さを表すのに効果的だと思いました。
出てくるお医者さん達も、各々ちゃんとした考えで患者に接しているのがわかりますので悪い印象を持つ事はなかったです。むしろそれにより主人公の動揺や焦りが浮き彫りになり良かったです。
姉と妹に焦点を絞っているので野暮かもしれませんが、姉妹を中心に据えた上での母親とのエピソードをもう少し読みたかったという気持ちがあります。
重いテーマではありますが、読後感はすっきりしています。