第114話 付き合う人間を選ぶ人たち

 私は数年前まで、あからさまに付き合う人を選ぶ人がいる事を信じていませんでした。


 そんなのはドラマやマンガの中だけで、内心は思うところがあったとしても、計画的に意図的に人を見て付き合いを選別している人はいないだろうと思っていました。


 何故そう思っていたかというと私自身が、人の付き合いをあからさまに選別する人を軽蔑していたからです。


 ドラマの中に出てくる、そういう人物に対して

「うっわ、お貴族さまかよ」

 と内心突っ込んでいました。


 人の本当のところ、その人がどういう人か、というのは分かるようで、ちょっと付き合ったぐらいでは分かりません。


 分かるんだったら、結婚数年目で性格の不一致なんて言って別れる人たち、そうそういないと思うんです。

 なのにちょっとしたイメージや自分が勝手に感じた印象で簡単に判断して人を選別する人が本当に世の中に存在してるなんて、とバカですね……数年前までの私はそんな人いないと思い込んでいました。


 だけど今はちゃんと分かっています。

 それだけじゃなく、その人との会話の中で

「あ、もしかしてこの人、あの人の事を避けるリストに入れた?」

 と気づくようになりました。


 大抵は話していると、私にも具体的な言葉を使わないものの

「ね、分かるわよね」

 というような抽象的な感じで合図のように送ってきて、時には私にも同じように避けた方がいいと促す人もいました。


 私はもちろん、避けるつもりはないのでわざと何言ってるか気づかないフリしてやり過ごしています。


 ぶっちゃけ、うちの夫以外の人の他人に対する目利きは対して当てになりません。

 夫はびっくりするぐらい当てますが。


 それに私に得がある損をするという基準で人付き合いを選ぶのが私は苦手なのです。


 得って何?損って何?とも思うのです。


 私はマイナスオーラ放ってる人につい惹かれて

 お節介に世話を焼いてしまう事があります。


 なのでそんな私を心配して忠告してくれるのかもしれません。

 けれど私は、世話を焼いてるのが楽しいんですよ。損なんて感じないのです。


 ネット上で荒らしをしている人や、わざと荒らすようなコメントする人を見かけると、母性本能くすぐられる事があります。


 まぁ、それは置いといて今回私が言いたいのは、人との付き合いを選別する人たちは見れてるようで人を見れてないんじゃないかと。


 リスクを回避しているようで、実はリスクを解決するレベルアップチャンスを回避してるから、また小さなリスクがいくらでもやってきて、そのたびに逃げるしかできなくて、時には逃げれなくて、より大変なんじゃないかなぁ?と思います。


 人って人と付き合う中でこそ、得られるものも学べるものもあるから、実はちゃんと見切れてないのに簡単に人付き合いを選別しちゃうって、それこそ損してるんじゃないかなと私は考えます。

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