『著作者人格権の不行使』※出版社バージョン。
「勝手にゴチャゴチャと書いてたら困るぞ。もうすでに、グッズも売り出しているというのに、作品のイメージを変えやがって。どれだけの損害が出ると思ってるんだ」と、怒鳴っているのはマルヤマ出版社長の丸山だ。
自らプロデュースを手掛け、お金をかけてプロモーションも打った。そのおかげで、その作品は小説だけではなく、漫画やアニメ、映画にまで発展。キャラクターグッズも大いに売れている。出版不況にあえぐマルヤマ出版にとって、千載一遇のチャンスがやってきたのだ。
しかし。しかしである。作家の
後日、丸山は直接、作者に会うことになった。「なぜ、勝手な真似ばかりするのですか?関わる大人たち全員が迷惑しているんですよ」と、丸山は諭す。「俺の作品なんだから、好きにさせてくださいよ」と峠はダルそうに反論をするが、丸山は譲らなかった。
──「作品作りには、編集も含めて多くの人々の汗が加わり、大々的に宣伝をしている。たからこそ、売れるようになったのだ。みんなで一緒に創り上げた作品に対して、著作者だけが我儘を言うのは、筋が違います」と。峠に、再度反論をする余地は無く、押し黙り丸山に従った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます