4-5 競争結果
「よし! ボス猿を3匹倒して、あいつらの手下だった猿達は、逃げていったけど、まだ2つの群れが残ってるし、そいつらを倒してポニーに勝つぜ!」
勝利は、構える。だが、その直後、その2つ残っていた筈な群れの猿たちが逃げ出した。
「悪いな勝利! 俺がボス猿を2匹、たった今倒した! 手下の猿達は逃げ出したから、これで勝負は終わりだ」
「そうか! じゃあ、何匹倒したか発表だ! 俺は、あれ? 5匹しか倒してねぇぞ……」
勝利は、ボス猿3匹と手下の猿を2匹しか倒せていなかった。何匹も、蹴り飛ばしたり、石をぶつけたりしたがトドメを指した訳ではなかった。だがSWでは、敵を倒せなくても、逃げてしまった場合、その先頭で活躍した分は、経験値が貰える為それ自体は、問題ない。
けれど、ポニーと競争していたので、その部分は倒せていないと意味がない。
「俺は、ボス猿24匹倒した! 俺の勝ちだな! 仲間にした猿を入れても、お前は8匹だ!」
ポニーは、勝ち誇ったようにニヤリと笑みを浮かべる。
「くそぉ! 次は勝ってやる!!」
勝利は、悔しそうに歯を食いしばる。
「でも、勝利が猿を仲間にする為に、ボス猿と戦ったり、蹴り飛ばしたりした猿を全員ちゃんと倒したら、ポニーに勝ったと思うし、そんなにガッカリする事はないんじゃね?」
魔理守は、競争に負けた彼にフォローを入れる。
「でも、結局勝てなかったのは変わらないんだよな……」
どんな理由があるにしろ、負けた事は事実だと勝利は言い訳をしない。
「でも、しよりん凄かったよ! 私達が引くぐらい猿達を蹴ったり踏んだりしてたじゃん!」
「うんうん。勝利くんたくさんのお猿さん達から全然攻撃を受けてなかったのは、凄いよ!」
勝負事に関して、とても謙虚な勝利に、あおりんと美樹も、彼を凄かったと賞賛する。
「ふん! 俺が、勝利に負ける訳がないだろう! だが、今回のお前の戦いぶりを見る限り、俺もまだまだだな……たらればとはいえ、俺に届く可能性があったと言う事だ! 誇って良いぞ!!」
ポニーは、歯をニヒッと見せながら、親指を立てる。
「そ、そっか、みんなありがとう! けど、負けちまったのは事実だし、次はポニーに勝ってみせるよ!」
褒めちぎられた彼は、照れくさそうに右手を頭で抑える。
「そういえば勝利、レベルは上がっただろ? ステータスは何処に上げんだ?」
魔理守は、今回の猿軍団を呼び寄せた事で、目的の勝利のレベリングにより、彼の頭上のレベル数が6から11に上がっていた為、何処にステータスを上げるか聞いてみる。
SWで、レベルが上がった場合、上がるまでの戦闘で活躍した時の行動によって、自動で上がるものと、自分で選んで上がるものがある。
「ってか、レベル上げを5回あげると、その次に1上げる時は、普段よりも必要な経験値量が多くなっからな。始まりの村の側の場所で6以降のレベリングを11まで上げるのは勝利の戦い方がすげぇってことよ」
SWでは、1から6までのレベリングをする場合は、必要量の増加は10、12、16と低く、5から6にする場合も30になり2が倍増しているように上がっていく。
しかし、6から7に上げる時、必要な経験値の追加量は、10になると思いきや、この場合は、さらに3で掛ける為、30になり、それまでより多く増える。そして、7からまた1つレベリングをする場合は、6から7の増加を受け継いだ状態で60に12を足して、72になる。そこから9にする為に86、10にする為に102と少しずつ上がる。
勝利は、11まであの戦闘で上げたという訳だ。6から11までに必要な経験値は440である。
ちなみに、11から12まで上げる場合の必要経験値は120+20×3で180であり、とある人物が最序盤のレベル2かつ弱い種族のモンスターだけを1日20体を3時間のペースでレベリングするという検証をし、2日と1時間弱かかった。
「魔理守に教わった、戦いのコツをやったら、レベルがすげえ上がるんだよな……ありがとな! 魔理守!」
「いんや、レベルを上げたのはお前自身だから、俺は特に何もしてねぇよ」
彼は、いやいやと手を手刀にして横に仰ぐように振る。
「でも、魔理守が目的の街にいく寄り道で猿を大量に呼び寄せて俺をレベリングするって提案してくれたから、俺はレベルが上がったんだぜ! もっと自分の発想に誇ってもいいとおもうぞ!」
「まぁ、そこまで言うなら、どういたしまして」
魔理守は、ハハハというような感じで笑み浮かべる。
「だが、魔理守は俺にもアドバイスをして貰ってる! それにより、貴様は俺を倒すのがより不可能になった! さらに、俺も猿を20匹以上も撃破した! 当然レベルも上がった!」
ポニーもレベルが猿達と戦う前と比べて、9から13まで上がっている。
「別に構わねぇよ! 魔理守が俺だけに味方してお前に勝ったとしても、俺は嬉しくねぇ! 同じ条件で戦ってそれでポニーに勝ってみせる!」
勝利は、ライバルに拳を向ける。
「フン! やれるものならな!」
ポニーも、彼に拳を合わせる。
「因みに増やすステータスは、秘密だ! ポニーが俺に合わせてステータスを入れるかも知れないからな!」
「よく分かってるじゃないか! お前は俺を倒すと言った! ならば、挑戦される俺は、挑戦者に超えられない壁になる!」
「そっか……じゃあ、俺はお前ら2人の勝負を見届ける役目を続けるからな!」
ツインテールの小柄な少年とポニーテールの大柄で堅いの良い少年がお互いを見つめ合い、その横で、2人の良き友人の少年が見守る。
「それじゃ、寄り道も済んだ事だし、優しい草原の林部分から出て、ワイ村に行くぞ!」
こうして5人のパーティは、ウィンシティに行く為の中間場である、ワイ村まで進んでいった。
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