第2話 多摩特別自治体について Tama special self-government.
多摩特別自治体の本庁は府中に置かれている。律令制時代の武蔵国府が置かれてたから府中になったとされる。それもあってか武蔵府中という名称も用いられている。
「さて着いた…ここが府中市役所と多摩特別自治体の庁舎。」
「拘束してるのに律儀に紹介してるなんて…これからどうなるんですか?」
「とりあえず着くまでは拘束を解けないことになってるから…」
そうして、2人は多摩特別自治体の事実上の政府機関となっている自治体統括本部に入っていったとされる。
「しかし観測者としてこの報告書を書くのはめんどくさい…。というかこれ報告書じゃなくて小説なのでは…」
そんなしがない
「入りますや…」
そう変な挨拶をした水樹さんのことを久保は不思議に思ったのだろうと推測される。
「ああ、きたきた。久保大輔…さん?」
「あ、はい…」
「ちゃんと言わんとわからないと思う。」
「そうか…。」
沈黙 が 流れた▼
「さて、私は譎ゆケ鈴寉鬮…と言ってもよく聞き取れないからよくウチュウジン=サンと呼ばれてるんやけど…まあここのヘッド…首領だけどな。早速だけど、君にはAdministrator《管理者》の資格を持ってるようなんで広報課でなんとかしといてや水樹やん」
「呼び方がいつも安定しない…久保さん、とりあえず拘束説いてちゃんと説明するから。」
「え、あ、はい…」
そうして水樹は久保の拘束を解いた。
「さてと広報課に飛ばされた以上はこの多摩特別自治体について説明するから…」
そういって地図を取り出すと説明を始めた。
「多摩特別自治体は、県としては多摩県と大月県の2つなんだけど、諸般の事情で君の世界線の埼玉県域と多摩県の一部を管轄する『武蔵入間特別自治地域』というのが多摩県議会で決議されて…特別自治体も認めざるえなくなってしまい、まあ、ざっくり3つ県があるということで。」
「はあ…。」
「政令指定都市は多摩県の県庁と県議会、軍裁判所など色々置かれている立川市、地方裁判所と高等裁判所が置かれてる八王子市、あと『さがみ野特別裁判所』が置かれた相模原市の3つなんだけど…」
「あの、『さがみ野特別裁判所』って」
「多摩県の妥協。それだけ。」
「ええ…。」
押しが強い。
「その3市と大月県大月市、あと武蔵入間特別自治地域本部にここの支部を置いてるって感じ」
といった感じに説明していったところで、
「大体わかりました。で、ところでここって何やってるんですか?」
と久保が問うと、
「名前通り広報なんだけど、結局庶務的業務が多いんです。何でも屋じゃないのに。」
と水樹は答えた。
■■■■
【解説】府中
府中という名称は武蔵国府が置かれたことにちなむとされている。それにあやかったのか多摩特別自治体は庁舎を府中市に置いたが、多摩県庁と多摩県議会の設置位置について複数自治体がもめた結果、立川市に置く決断を迫られたとされている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます