第103話 妊娠中の不可解な

 着実に出産予定日に近付いて参りました。

 連日の暑さで昼間は動く気になれなかった私ですが、本日は曇り空で涼しかったんで、家の掃除に励みました。


 何故か、出産が近付くと猛烈に大掃除がしたくなる私。

 毎回、年末なみの大掃除をします。

 ジャイ子の時などは、家の壁を拭きあげました。

 調べると結構、私とおなじように臨月に大掃除したくなる妊婦さんは多いようでして。

 出産に向けて、自分の巣を整えるという本能が働くのではないか、とどこかの記事で読みました。

 まあ、雑巾がけの姿勢が安産にいいとかよく言いますし。もう正産期に入った今、動け動け、の時期ですので、いいことなんじゃないかと思います。


 もうひとつ。

 大掃除の他に、私は毎回妊娠中に不可思議な気持ちにとらわれます。

 妊娠中期ぐらいから、時折訳のわからない不安感に襲われるのです。

 それは、自分が建物の二階以上に居る時。

 だろうか、と猛烈に心配でたまらなくなるのです。


 一人目の長男を妊娠中、横浜の五階建てマンションの最上階に住んでおりましたが、昼間といわず夜といわず、急にその不安にとらわれることがありまして。

 主人と電話で話して、大丈夫だろうか、そういうことは起こり得るだろうか、なんてことを至極真面目に聞いたりしてしまいました。


 ーー木造住宅で二階の住人が大量の漫画をためすぎて床が抜け落ちた、という話を聞いたことはあるけど。そのマンションは鉄骨だから。大丈夫、大丈夫。


 笑っていう主人に、ホンマやろか? とそれでも心配する私。普段なら全然気にならないのに何故かその時は猛烈に心配になるのです。


 二人目のジャイ子を妊娠中の時もそう。

 実家の寝室は二階にあるのですが、わざわざ一階で寝たりして。

 現在三人目妊娠中の今も、離れにある平屋に寝ています。(一階だと落ち着く)


 産んでしまえば、その気持ちはおさまるのです。本当に妊娠中限定の不安感。なんなんでしょう?


 この不可解な不安感の原因について主人と考えてみたことがあります。

 二人で考えてみた結果、やはりこれはお腹の赤子の気持ちが自分にも伝染しているのではないか、という推論に達しました。


 子宮の中で育っている胎児。

 下から落ちる=早産の恐怖、外の世界に出たくない、という気持ちなどが私に伝わってそういう形の不安感で現れるのではないかと。

 今でもそれが正しいのではないかな、と思います。


 床が抜け落ちないか心配するなんて全く笑い話もいいところなんですが、そう考えると不思議な気持ちになります。

 ああ、子供と一心同体なんだなあ、と。


 私と同じような不安に襲われる妊婦さん、ておられるかなあ。

 ほかにも似たような不思議な気持ちを経験されるママさん、て沢山居そうですね。

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