第95話 兄と妹

 最近、「ざわざわ森のがんこちゃん」のガンコちゃんが、我が家のジャイ子と似てるなあと思う私です。

 腕と脚の太さ、がっしりした胴回り、歩き方、迫力、雰囲気、顔つき、泣き方まで。ガンコちゃんは身体がピンク色をしているのですが、最近のジャイ子は好みが激しくピンク色の服しか着ません。まさしくガンコちゃん。ジャイ子じゃなくて、ガンコちゃんと呼ぼうかしら。

 この間、一歳七ヶ月健診に行ったところ、我が子のデカさを再認識いたしました。女子の成長曲線を飛び越え、男子の成長曲線上限に位置するガンコちゃん。立派です。


 さて、ガンコちゃんはお兄ちゃんが大好きであります。

 六歳上の長男についてまわり、長男の一挙一動を真似します。兄妹、てあんなものでしょうか。

 本当に鏡を見ているよう。そっくりのちょけた表情をする二人を見て、間違いなく兄妹だな、と思います。ガンコちゃんは私たち両親ではなく、兄に一番似ているのだと気付きました。

 夜、寝る時もお兄ちゃんと寝たいガンコちゃん。私の布団から抜け、隣のお兄ちゃんの布団へと潜り込みます。長男は嫌がるのですが、ガンコちゃんはお兄ちゃんとひっついて寝たい。寝ている時の長男は無意識に本気でガンコちゃんを蹴り飛ばします。痛みで泣くガンコちゃんを私が自分の布団へと引き戻し慰めますが、また泣き止んだガンコちゃんはお兄ちゃんの布団へと。そして、蹴られてまた泣いて、の繰り返しを毎晩しております。(小間切れ睡眠です。まとめて寝かせてほしい)

 まあ、お兄ちゃんが好きなのはいいことですね。



 兄と妹。


 私が思い浮かべる究極の兄妹といえば、『火垂るの墓』の清太さんと節子ちゃん。(サクマドロップ缶を見るたびに皆の記憶に蘇る伝説の兄妹ですね)

 もう、アレが兄妹の原点だと思っておりますので。私はお兄ちゃんというものは妹のためならなんでもしてくれるものであると思い込んでおりました。

 サスペンスドラマでも兄が妹のために犯罪を犯すとか、妹の罪を被るとか、よくあるパターンですよね。


 そんなものですから、いつか、私は妹さんが居られる男性の先輩に。

『お兄ちゃん、て妹の為なら死んでくれるんですよね?』

 と真面目に聞いたところ、

『バッキャロー! んなわけあるか!』

 と、怒鳴られました。(あれれ?)


 兄妹。

 私はお兄ちゃん、という存在にかなりの憧れを持っています。

 私自身は上二人が姉の末っ子だったのですが。

 友達でお兄ちゃんがいる女の子がものすごく

 羨ましかったですね。

 特に面白いお兄ちゃんがいる友達。

『お兄ちゃんが面白すぎて、いつもご飯中、吹いてしまうねんけど』

 なんて話す友達を。

 超! ウラヤマシイ! エエなあ〜と思ったものです。(この子のお兄ちゃんは学校一、面白い男の子だった)


 女、三姉妹もなかなかいいものではありますけどね。

 女三人寄れば姦しい、とはよくいったもので。

 まだお互いに子供がいない時などは、久しぶりに集まれば夜通し喋り通したりする勢いでした。(それこそが女子!)


 妹や弟というのは手に入りますが、お兄ちゃんというのは手に入らない。

(そういえば昔、子供の時に、弟、妹が欲しい? と私は両親に聞かれたことがありますが。速攻で断りました。末っ子というオイシイ立場を既に理解していたからです。本当に末っ子はズルい子に育ちます 笑)


 現在、義理のお兄さんはできましたが(かなり面白いお義兄さん)滅多に会わないですし、まあ他人ですからね。

 だから、ガンコちゃんを羨ましく感じます。いいなあ。


 ーーそういえばお腹の三人目の子ですが。

 男の子だと判明しました。

 今まで健診のエコー四回連続で、『脚の間に』と言われているので、もう確実でしょう。


 ドリカム状態になるわけですね! ガンコちゃん! (まさしくガンコちゃんのようにたくましい女の子になることでしょう!)


 長男に、弟が出来ることを話しましたら。

 ……その日の夜に、真面目な顔をして私にお願いをしてきました。


『お母さん、もう一人産んだって欲しいねん。次は女の子。△△が女の子一人で可哀想やと思うねん』



 ……まだ、お腹にいるのに何を言いだすねん、この子は!


 四人目は流石に勘弁してください……。

 せっかく悪阻が明けたのに。(あ、悪阻がようやく終わりました!)

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