第82話 妊娠中の身体の変化
妊婦体型になってまいりました。
ああ、わたし、おなか脹らんでるなあ。
ウエスト、ないなあ。
当たり前なのですが、日に日に変化していく自分の体のラインに戸惑います。三回目なのですけれども。
おなかの毛が濃くなるのはなぜかしら? (赤ちゃんを守ろうとしているのかな)
下腹部の正中線が濃くなるのも不思議ですよね。
すべては妊娠中のホルモンバランスの加減だと思いますけれども。
普段の私は男性ホルモンが多くて女性ホルモンの分泌が少ないのだろうと思います。
妊娠中は腕や脚の体毛が薄くなり、すべすべになります。(もともと、むだ毛が少ない人って本当にうらやましい)
妊娠初期には吹き出物が身体中に出て、うんざりするのですが。(急激なホルモンバランスの変化かな)
中期をこえると、今度はびっくりするぐらい嘘のように綺麗な肌に。
化粧水なんてつけなくても、いつもしっとりつやつや、すべすべ。
母似のややオイリー肌の私。(若いときは嫌だったけど、年をとると母のように若く見えるようになるのでは、と期待してます)
身体に吹き出物が一つもないなんて状態は、これまでの人生では思春期以前か妊娠中のときぐらいのものでしょう。
肌、光ってる! 水分、脂分、バランス完璧!
なにこれ、あたし、すっぴんでも超イケてる! (いえ、いつも化粧しないですけど)
みんな、みて、この肌! きれいでしょう。
……とみせつけたくなるほど、本当に抜群の美肌になるのです。
ああ、これで妊娠中じゃなければな。
と、いつも残念に思います。胸元とか、背中とか大胆に開いた服を着てやるのに。お腹が大きくちゃ、そんな服着てもいまいち決まらない。
いかに普段の私が女性ホルモンが少ないか、てことですね。
要はホルモンだと思うのですよ。美のなんたるかを決めるのは。
非妊娠時に早寝早起きして、酒も甘いものもとらず、食事運動に気をつけていたとしても、吹き出物ができましたし。
妊娠中期以降に少々、不規則な生活を送り、甘いものを食べても全く肌は荒れませんでしたもの。
酒をがばがば飲んでもポテトチップスや甘いものを食事代わりにとっていたとしても吹き出物なんかできたことない、いつも肌が綺麗、ていう人がいますけど(友人にひとり)そういう人ってのは生まれつきホルモンがいい感じに常に分泌されてる、てことですね。
うらやましいなあ、くっそう。
月経痛のひどい姉が症状緩和のためにピルを服用していますけど。うそのように肌がきれいになりました。ホルモンバランスが整ったからですね。やっぱり、美肌はホルモン次第やな! と二人で共感しました。
だから私、更年期障害になったらホルモン療法、必ずしようと思います。
妊娠中の変化としてもうひとつあげますと。
味覚は随分変わりますよね。
今回の三人目の妊娠時には随分変わりました。
あれだけ、酒とコーヒー命! の私がですよ。
今回、どちらも激マズ飲料に早変わり!
前の二人の妊娠中には一口だけ、と美味しくいただいていたビールが。
なんともマズく、もう欲しいとは思いません。コーヒーも変な味の飲み物にしか思えない。一日、五杯以上は飲んでいたのに。
そして、今回びっくりしたことに。
食べたい食材として。
『イワシの丸干し』を強く求めました。
あのイワシの苦さが恋しくてしかたがない。イワシが無性に食べたい! イワシLOVE!
イワシばっかり食べてました。
身体が子供に良さそうなものを求めた、てことでしょうか。
また、妊娠中に酸っぱいものが欲しくなるのは、あれはどうしてなんでしょうね。
もう『パッションフルーツ』ぐらいのパンチの利いた酸味よ、カモン!
てな感じで、ひたすらすっぱいものを求めるようになりますが。不思議です。(特に悪阻のひどい三か月~四か月ぐらい)
パッションフルーツを求め、新宿の百貨店の食品売り場をさまよったことがあります。時は2月の真冬でしたので、もちろん見つかりませんでしたが。
通学途中に『今すぐレモンをかじりてえ!』と非常に強く感じ、八百屋さんをさがして買ったその場でカットしてもらおうかとも考えたこともあります。(結局、八百屋さんが見つからず、自販機で『キレー〇レモン』という炭酸飲料を購入して我慢しました。でも、全然、求める酸っぱさとは程遠い……)
酸味のある物を食べると、悪阻の気持ち悪さが少々やわらぐ、というのもあるかと思いますけどね。
今回も必ず風呂上りにはグレープフルーツやミカンなどの柑橘類を食べずにはおられなかった私。(夕方~夜が大きな悪阻のピーク時間。風呂上りは結構、きます)
毎日、風呂上りにそういうものを食べておりました。
そういえばこの間ね。
とても嬉しいことがあったんですよ。
風呂上りに長男に『ミカン、とってきて』と気持ち悪さのあまり畳の上に突っ伏しながらお願いしましたら。
長男は取りに行ったようですが、なかなか戻ってきません。
何してるんやろ、とイライラしていましたら器をもってやっと長男が戻ってきました。
器の中には皮をむいた(薄皮もですよ)ミカンが。
『はい、おかあさん』
と、私に差し出す長男――
やばい。ぐっと、きた。(昔あった某CMの篠原涼〇さんのよう)
なに、この子。
声のでかさと愛想の良さで、将来は営業職決定やな、と思っていたけど。
まさかのサービス業向き? ホテルのコンシェルジェ(私の中のサービス業ヒエラルキーのトップ)とかいけるんとちゃう?
『ありがとう。☆☆がむいてくれたから、めっちゃ美味しいわ』
うるうるとしながら、息子のむいてくれたつるつるのミカンの身を味わいました。(自分で食べるときなんて面倒くさいから薄皮なんてむかないのに)
それからも気持ち悪そうにしていると、ミカンやガリガリさまを取りに行き、私に渡してくれる長男。
食べ終わった私に『気持ち悪いのおさまった?』と聞いてくれる長男。
まるで優しい彼氏のよう。なに、この子。将来モテるんじゃないの?
悪阻中の私に対する息子の優しい行動にどっぷりとハマり、ニマニマしている最近の私なのでありました。
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