第79話 ファンの作家
前回、本の話をしましたので、今回も本のお話を。
小学生の時一番ハマっていましたのは『クレヨン王国シリーズ』と『ぽっぺん先生』シリーズですね。
皆さんも読まれたことあります?
このどちらの作品も、大人のために書いてるんじゃないの? て思っちゃうほど大人が読んでもとても面白い児童文学です。最近、読んでみましたけどやっぱり面白かった。
あげました『ぽっぺん先生』シリーズの主人公、ぽっぺん先生がどんな人物かと申しますと。
髪型は脂じみた顎までのぺったりとしたロン毛、小豆色のジャージと皮のつっかけをいつも着用(この皮のつっかけを履いて歩くときの音がぽっぺんと似ているのです)。職業はうだつのあがらない万年助教授(生物学)、いまだ独身、実家暮らしの42歳男性!
渋すぎますよね。児童文学の主人公にしては。
彼が毎回、不思議な体験をするというお話ですが。
だいたいがハッピーエンドで終わりますけれども、それが哀愁漂うハッピーエンドと申しますか、余韻ののこるラストで大好きです。
『クレヨン王国』はすべて名作ですけれども、『パトロール隊長』が一番好きでしたねえ。
こんな不幸な少年おらんやろ、ていうほど不幸のオンパレードの小学生「ノブオ」が、迷い込んだクレヨン王国でパトロール隊長に任命され任務を遂行する中、心の傷を癒し成長する物語ですね。
登場人物の中の一人、ノブオと憎みあう学校の先生が、そのときちょうど大嫌いだった私の担任の先生とそっくりでして。ノブオに感情移入しまくり! タイミングがちょうどよいときに読んで、その本が大好きになったという良い例ですね。
将来、ノブオ君みたいな人と結婚する! そんで、子供にはノブオという名前をつける! と友達に宣言していたほど大好きだった本です。
……なんてそんな大事なことを今、思い出してしまいました、私。遅すぎるやろ。(主人にノブオ君要素は、果たしてあるのでしょうか? ちなみに本を読まなかった主人もこの本だけは読んでいて好きだったそうで。共通点を感じたところでもあります)
上記二つのシリーズのうちのどれでもいいからジブリで映画化してくれないかなあ、なんて思います。
好きな作品を、ぜひジブリ化してほしい! というのは皆さんが思うところではありますね。
ところで、ジブリの「耳をすませば」と「千と千尋の神隠し」。
原作の「耳をすませば」をリアルタイムでりぼんで読んでいた私としましては、原作のまま映画化してほしかったなあと思いました。ご存じの方もおられますでしょうが、原作はもっと複雑ですからね。雫のお姉さんとか、聖司のお兄さんが関係してきたりして四角関係? ドロドロ? みたいな。聖司の夢はバイオリン職人じゃなくて画家、だったと思いますが。アニメ版のような最後のあんなくっさい告白なんかしませんからね。夜明けに、さらりと雫に告白するのです。……萌え。
そして「千と千尋の神隠し」。宮崎駿さんが「霧の向こうの不思議な町」という物語を映画化しようとして断念。そして後にその作品を意識して作った話が「千と千尋の神隠し」だったということを後で知り。なんだあ、そのまま「霧の向こうの不思議な町」が映画化されたのを見たかったなあ! と思いました。
※「霧の向こうの不思議な町」という児童文学も私の大好きな本。超名作ですよ。主人公の女の子がふとっちょさん、であんまり可愛い容姿じゃない、というのがダメだったのかしら。
そっちのほうがもっとヒットしたんじゃないの? てこの作品を愛する身としてはそんなことを考えてしまいますよ。
ヘタに原作を知っていると、素直に作品を楽しめなくなってしまうという欠点がありますね。
そして最後に、私が作品そのものではなく作者である作家さんに恋をしてしまった作品群を告白します。
「放課後の時間割」「リクエストは星の話」と「にせあかしやの魔術師」「猫になった少年」。
このお二人の作家さん。
なんだか、この好きな話の雰囲気、前に読んだ好きな話と似てるなあ、なんてことを思っていたある日突然。あ、みんなこの話書いたの同じ人や! と気づいたんですね。それまで、作者さんなんか気にしたことなかった私。初めて、作者にホレる、という初体験をしたのです。
小学生の女の子が何言ってんだ。と思われるでしょうが。
私はこのお二人の作家さんの作品群に。
大人の男性の色気を感じました。(ほんとに何言ってんだ)
なんていいますか、ストーリーのセンスがいい。さらっとした感じ。
どちらの作者さんも主人公が少年の場合は。少年なんですけど、大人、なんですね。
大人になった今、少年時代の自分を回想して書いている視点、だったのでしょうか?
分かります? この萌えポイント?
少年の心を持った男性、ではない。少年なのに、大人の男性なんですよ。
名探偵コナンとはまたちがうなあ。新一くんもまだ少年の域を出ませんからねえ。
小学生女子だった私はお二人の作品から漂う大人の男性の色気にクラクラしておったわけですが。
将来、私、この作者さんのような素敵な感性を持った男性を探して絶対に恋愛する、などと心に決めておりました……
……ってのを、たった今、思い出してしまいましたああああああ!!
ちっくしょおおおお! 手遅れ! なぜ忘れていたんだ、私!――――
――というわけでして、今でも児童文学が一番好きな私です。
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