パステル・ドール
ウスバカゲロウ
第0話昔話
キレイな人
ぼくはそう思った。
真っ白な和服の似合う、長くて黒い髪の、お姉さん。
けど、ツノが生えてるの。頭からニョキ、って。ぼくはオニみたいだなって思ったけど、そんなこと言ったら、お姉さんはきっと泣いちゃうから。だからぼくは、それをいわないことにした。
でもお姉さんは、僕がツノを見てた事に気づいて、変な顔でへにゃっ、って笑って
「コレね、病気なの」
そう言ってぼくに教えてくれた。
「ごめんね」
ぼくはあやまった。
だって、なんでか分からないけど、悪いことをしちゃったなって思ったから。悪いことをしたら、ごめんなさいするんだよって、お母さんが言ってたから。
だけどお姉さんは、ぼくの頭を優しく撫でて、困ったなぁって顔をする。
「謝るようなことじゃないよ、キミは悪くない。……しょーがないことなんだ、治るようなモノでもないし、ね」
ふわぁっ
風が吹いて、お姉さんから花のかおりがする。おひさまみたいに温かい、優しいかおり。
あれ?でも、何の花だっけ?
知ってるよ。知ってるんだ。
だけど、ナンデカナ。もう直ぐそこまで出かかってるのに。
「もう時間だね」
不意に声がして
……気がつくと、■■■■は居なかった。
ぼくは、ダレと話してたんだっけ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます