航空機兵物語

@ill09

第1話

<01751撃墜>

 ここは空の上だ。

<やられた、やら……………>

<くそっ後ろにつかれた、振りきれない助けてくれ>

 空の上では多くの命が散っている。

<撃墜確認、撃墜確認>

<後ろをとった、とっ………………>

「残弾500」

「空戦可能時間は」

「このペースだと後600秒」

 そんな空の中を、我が物顔で飛ぶ敵、通称蟲、そしてそれに挑むのが航空機であり、それを操る航空機兵である。


<後退する、後退する>

 気がついたら戦闘が終わっていた。

<残存機は何機だ>

「02574まだ飛んでます」

「ギリギリね」

<07451無事です>

 その後も続々と与えられた識別番号、コールサインを答えていく。だが数は出撃時の半分以下だ。

<そうか>

<こちらアークウィング、逐次着艦せよ、逐次着艦せよ>

 そうして見えてくるのは俺たちの基地であり、帰るところであり、守るところである、空母アークウィングだ。搭載機は150を超える数を搭載可能だが今では78機ほどしかおらず、今回の戦闘でその半数以上を失った。そんな艦に機体を下ろす。

「コース適正」

「了解降下させる」

 機体の名前は魔道発動機搭載航空機4型、今現在の主力機であり、俺の愛機だ。この機は推進式、要はプロペラが後ろにあるタイプ、の航空機で武装は魔道式機銃2門前方に取り付けられている、複座機だ。そんな機体をアークウィングに着艦させる。空母への着艦は難しいとされているが2年目となれば無茶な状態でなければ早々失敗することはない。

「着艦確認」

「ふう」

 着艦させるとそのまま、エレベーターに載せアークウィングの中に機体を入れていく。そして格納庫に機体をしまうと任務完了だ。

「おつかれ」

「ああ」

 機体から降りると、乗っていた機体に整備兵が取りつき整備する、またその間で生き残ったパイロットが涙を流しているものもいる、多分1年目の兵士なのだろう。

「02574こっちに来い」

「「はっ」」

 上官に呼ばれ、彼についていく。案内されたのはブリーティングルームだ、中にはサッキノ戦闘の生き残りがいる。

「先程の戦闘の反省点について話し合う、その前に新兵が来るまでにすべての復習を行うわかったな」

「「「「了解」」」」

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