第477話
だがそんな手応えと自信も、グリフォン相手では無意味だとレグスは断ずる。
「グリフォンの群れはミノタウロスすら獲物にするという。ハーピーなどとは比べものにならないほどの怪物だ。そんな奴らと遭遇すればどうなるか、結果は目に見えている」
「まっ、グリフォンの群れといっても私とレグスならいくらでも切り抜けられるでしょうけど……、あんたがいちゃあねぇ」
男の説明に己の見解をつけ加えて言うセセリナ。
彼女の視線の先にあるのはファバの姿であり、当然彼としてもそんな扱いをされては面白く思うはずがない。
「なっ……、ざけんな!! 俺だって問題ねぇよ!! 修羅場ならこれまでだってくぐってきたんだ!!」
「はいはい」
「なめやがって……」
腹を立て古き精霊を睨みつける少年にカムが言う。
「ファバ、無責任にお前が強がってみせたところで迷惑を被るのは同行する者達だ。勇気と蛮勇は違うという事を覚えろ」
「なんだよ、カムまで俺を馬鹿にして……」
「馬鹿にしてるわけじゃない、お前の為を思っての助言だ。危険な旅の中では、臆病なほど慎重で丁度いい」
レグスも彼女の言に同意する。
「そういうことだ。それにこれはお前だけの問題でもない。旅にはマルフスもついてくる。あの男もグリフォンの群れに遭遇したら逃げ切れまい」
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