第472話

 たしかにゴルゴーラの言う通り、レグス達が灰の地に持ち込む為に運び込んだ物資の多くはこの地を襲った魔物達によって荒らされ、失われてしまっていた。

 それらを自らの手で調達しなおそうにも簡単にはいかない。

 貴重な道具や秘薬などは入手先が限られており、個人で集めなおすとなるとかなりの時間が食われてしまう。

 そして、そもそも金銭的な面でも現状レグスの手元には余裕がなく、調達資金を用意しなおすだけでもまた余計に日にちを要する事になるのである。

 物資を壁の民達からの協力によって補えれば、その分出発を早めることが出来るのは間違いない。

 その事を思えば、レグスにとっても壁の王の頼みは悪い話ではなかった。

 何より彼自身、マルフスには僅かなりとも因縁めいたものを感じざるを得ない。

「いいだろう。だが追加の人員はいらない。お前達のような大男を何人も連れ歩いては目立ちすぎる」

 レグスは壁の王の頼みを聞き、マルフスの同行を了承した。

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