第470話
「だが王よ、この男を救世主と認めるならそれこそこの者はこの地に留めておくべきではないか!!」
慌て持ち場へと戻る衛兵達を横目に元老院議員のひとりがなおも食い下がるが、壁の王の判断に変化はない。
「天の意も星の声すらもかえりみず進む者を、どうやって留めよというのだ。お前達にもわかっているはずだ。今この場でファタムの矢がその脚を貫こうと、この男は這ってでも壁の先へと向かうであろう」
「それは……」
「人の持つ宿命とは計り知れぬもの。星が告げし者ならなおの事だ。最初から、我らがどうこうできるものではなかったのだ」
諦観の境地ともとれる態度を見せながらゴルゴーラは言う。
「レグスよ、往くがいい。お前が為さんとする事を為す為に。だが我は信じている。お前が星が告げし救世主であるならば、この先どこへ行き、何を為そうとも、いずれ星の導きが再び我らをめぐりあわすだろう」
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