第434話
「馬鹿馬鹿しい。ペテンにも使えぬ戯れ言だな」
セセリナの言葉をレグスは鼻で笑うが、彼女の表情は真剣そのものであった。
「あなたがそう思っていても、他の人間は違うわ。壁の地に住まう者にとって、マルフスの言葉はいまや戯れ言で片付けられるものではないのよ」
眷属の異なる魔物達が手を組み壁を襲撃するなど常識では考えられない異例の事態である。
予言されし時代の凶兆であると、壁の民達は不安を覚えずにはいられないのだ。
そしてまさしく、それを訴え続けてきた男の言葉を彼らはこれ以上無視出来ない。
星々の王なのか、そうではないのか。
本当にそうだとして、いったいどうすべきなのか。
レグスが眠り続けていた間にも、その扱いをめぐって王と元老院は討論を積み重ねていたのだ。
「お前はどう考えている」
「私は占い師や預言者じゃない。未来の事などはっきりとわかりはしないけど、全てがただの偶然などとは思えない」
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