第393話『神に挑む者』
「まじで全部追い払っちまいやがった……」
圧倒的な力で魔物の連合軍を蹂躙した古き神イファート。
彼の神の燃ゆる巨躯を見つめながら、ファバは仲間達に問う。
「俺達は勝っちまったのか……?」
焼けた大地に転がるいくつもの焼死体。
そして、命からがら散り散りに逃げていく魔物達を眺めながらセセリナは言う。
「いいえ、まだ終わってないわ。戦いはまだ……」
青き精霊の少女は視線を城塔に立つ炎を纏いし娘へと向ける。
一見して悠然としているベルティーナだったが、セセリナにはわかっていた。
彼女の怒りが微塵も静まる気配がない事を。
「本当に彼女はこの地の全てを焼き払うつもりなのね。このままではいずれこの城も」
「この城もって……、けどどうすんだよ、あんなでっかい化け物止めようったって……」
「古き神はあの娘と共鳴している。どうにかしてあの娘の暴走を止められれば……」
「止めるたって力ずくでか!? 近付くだけでみんな燃やしちまう化け物みてぇな女をどうやって!?」
イファートだけでなく、ベルティーナ自身もとてつもなく強い力を有している。それは召喚を妨害しようとした者達の末路が証明していた。
何より、光焔の女王を害せば、大地の太陽の眷属であるイファートのさらなる怒りを買うだけである。
「それは……」
如何にしてベルティーナの暴走を止めるのか、セセリナがその答えに窮していると……。
「嬢さん!!」
突如、大声が聞こえてきた。
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