第383話
死屍累累。
血風香る暗き闇夜の戦場においても、それは異様に目立つ光景であった。
赫々たる炎を纏う裸の女が城塔の最上階、その縁に立ち戦場を睥睨している。
「何だ、あれは……」
敵も味方も無く、皆一様にその女を見上げていた。
彼女がいったい何者であるか、それを知る者がこの戦場にどれだけいようか。
女と血を分けた兄妹すらも、まるで見た事のないその風貌に、戸惑うしかなかったというのに……。
「ベルティーナ、あなたいったい何をしようというの?」
微塵も恐れなく、ただ一人敵前に立つ姉の姿にミルカは不安を覚えた。
姉の身を心配する不安。当然それもあったが、それ以上に別の大きな不安を彼女は抱かずにはいられない。
見守る妹の視線の先で、ベルティーナは詠唱を開始する。
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