第356話
連戦続きのレグスの体調、魔剣の力の使用のしすぎ、原因はいろいろと考えられたが、今さらそれを嘆いても仕方がない。
現状使用出来る力、その限界を維持しつつ、レグスは魔剣を振るい続ける。
そうして必死に暗黒の力を打ち払い進んでいくレグスだったが、ついにある一定の距離から足が止まり、前へと進めなくなってしまう。
「くっ……」
防戦一方。
リッチからの連続攻撃を受け止め、耐えるだけで精一杯になってしまったレグス。
対して不浄の王は意地悪げに忌々しい笑みを浮かべ不動の構えをみせていた。
黒き触手を打ち払い続けるうちに、徐々に疲労は増し、レグスの剣を振るう動きが鈍り出す。
そしてその時を待ってましたとばかりに、悪霊達が空より飛び掛ってきた。
リッチの攻撃を防ぐだけでも精一杯となってしまっていた男に、悪霊達までも相手しきるだけの力はない。
当然のように、レグスは体勢を大きく崩してしまう。
――しまった!!
そう思ったところでもう遅い。
黒き触手がレグスの体を捉え、呑み込んだ。
まるで炎に身を焼かれるような苦痛。
いや、それ以上のモノだった。
リッチの暗黒の力はこの世のものとは思えぬ苦痛をもたらし、その痛みに不屈の精神を持つはずの男すらも堪らず声をあげる。
しかしそれも長くは続かない。
あまりの苦痛が意識すらも奪ってしまうからだ。
剣だけは手放すまいと無意識に握り締めたまま、レグスは気絶してしまう。
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