第341話
「なんて愚かな事を……」
精霊の嘆きを耳にしながら、レグスが言う。
「リッチを呼び出し、悪霊共にこの城を襲わせるか……。とんだ奥の手だな」
「呪われた禁術にそういったものがあるのはたしかよ。だけど……、こんなもの一時的にすぎない。あのアングスタの眷属がいつまでも大人しく従ってるわけがない」
「リッチが後で仲間割れを起こそうと、どうしようと、どのみち俺達はこの悪霊共とやりあう必要があるわけだ」
レグスの指摘は正しい。
召喚されたリッチが後で暴走しようがどうしようが、自分達がまずせねばならぬ事、それは城に向かってくる膨大な数の悪霊を追い払う事である。
「あの数よ。まともにやったって勝ち目は薄いわ」
「だが説得が通じないというのなら、他に方法はない」
セセリナがレグスの言葉に意味深に沈黙する。
「何か考えがあるのか?」
そう問われ、促がされ、精霊は自身が思いついたこの絶体絶命の苦境を乗り切る為の一つの可能性を口にした。
「一つだけ考えがあるわ。地下にあったもう使えなくなった結界用の古い魔法陣。あれを使えれば……」
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