第265話
精霊の助言を受けたレグスはファバ達の事をガァガの部下に任せると、自身はガァガと共に王がいる城主の間へと向かった。
紛れ込んだ間者について即刻対応するように、王に進言する為である。
「これでは城門の守兵が少なすぎやしないか?」
「だからと言って他の区画の守備兵をこれ以上減らすわけにはいかない。リザードマンなどは平気で城壁をよじ登ってくるのだ。穴を空ければ一気に突破されてしまうぞ」
「東の城塔に弓兵を割きすぎだ」
「しかしハーピー共の侵入を抑える為にも、これだけの数はいるだろう」
「重要なのは主塔だ。敵軍にはミノタウロスの姿もあった。あの牛の巨人共に対抗するのには主塔の弩砲が欠かせぬ。ここの守りは完璧にせねば」
「ええい、こんな悠長に話し合ってる間にも、敵は攻め込んでくるぞ!!」
「そんな事言われんでもわかっておるわ!!」
城主の間ではゴルゴーラ王や元老院議員達、そして主だった将が集い、この差し迫った危機についての話し合いが行われていた。
地図を広げ、駒を置き、ああだ、こうだと熱心に意見をぶつけ合ってはいるものの、名案が思い浮かぶわけもない。
小手先の最善について話し合うが精々で、誰もがこの厳しい戦況を理解していた。
重苦しい空気が部屋を覆う。
それでも希望が全くないわけではない。たった一夜しのげば救援の軍が駆けつけ、状況は変わるはずなのだ。
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