第144話『東へ、東へ』
レグス達がローガ開拓団に参加して数日後、彼らはサドゥダラの街を発ち、東へと進路をとった。
花月の決められた日には『壁』へと辿り着いていなくてはならない。その日を過ぎれば壁の門が開かれる事はなくグレイランドへの道を失ってしまう。
日数にはまだ少し余裕があったが、彼らは『人』と『情報』を集いながら壁を目指しており、一箇所に長居するわけにはいかなかったのだ。
しかしそれから日を重ねても、人も情報も思うようには集まらなかった。
情報が集まるような大きな街ではローガ開拓団がほとんど追放処分のような扱いで壁を越える事が広まっており、腕の立つ者は耳が良い者も多くローガ開拓団に加わろうとはしない。
さりとて、ろくに情報も集められない素人同然の人間やたいした武功もないただの田舎者など、主の財産をほとんど没収された資金力に乏しいこの開拓団では雇う余裕はない。
結局、人もこれといった情報も増える事はなく、ただただ東に進み、日々が過ぎるだけの時がしばし続くのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます