余剰次元を追いかけて

青柳 桜萌黄

余剰次元を追いかけて

スクランブル交差点を渡るとき

人ごみの中に君の姿を見たような気がした

決して交わるはずがないのに


君が微笑む視線の先は

「誰か」だけを見ているわけではない

僕も不特定多数の中のひとり


路地裏の先に広がるのは

僕が見たことのない世界かもしれない

一歩踏み出してみようか


閉じた扉の向こう側にいるのは

きっと君だろう 君に違いない

戸惑いとときめきを感じて


鏡の中で顔をしかめているのは

僕のようで でも僕じゃないようで

前後左右の概念を疑ってみる


よく似た人はたくさんいるけれど

他人の空似とか デジャヴとか

君は並行世界の住人なのか


この世の中は11次元の時空で出来ているらしい

だから 僕と君はすれ違い続けているのだろうか


余剰次元を追いかけて


サークル氏とスクエアさんのように

僕たちも分かり合えるんだろうか


手を伸ばしても届かない

二次元の世界に住む君には


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余剰次元を追いかけて 青柳 桜萌黄 @tonakay

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