第4話SciFiを書くなら博士号を取れ

 SciFi作家には、ほかのジャンルの作家とおそらく違い、博士号持ちがそれなりにいるという特徴があります。それも、よくわからない業績に対して授与されたものではなく、もともととか、面白いから取ったという人が。

 少し並べてみますね。順番には意味はありません。


   アイザック・アシモフ

   マイケル・クライトン

   ジェイムズ・ティプトリー・Jr.

   ロバート・ラル・フォワード

   ロバート・L・フォワード

   グレゴリイ・ベンフォード

   チャールズ・シェフィールド

   ルーディ・ラッカー

   デイヴィッド・ブリン

   ケヴィン・J・アンダースン

   アレステア・レナルズ

   ハンヌ・ライアニエミ

   ピーター・ワッツ

   フレッド・ホイルはどうなんだろ。Sirだからなぁ。そっちの称号の方が上だし。

   石原藤夫

   瀬名秀明(瀬名秀明はカウントからは外しましょう。パラサイト・イヴとかクソです。)

   円城塔


 ちょびっと検索するだけで、かつ第一線で活躍している人 / していた人で、これだけの人数がサクサク確認できます。

 アーサー・C・クラークとか、博士号を持っていなくても凄まじい作家はいます。そちらの確認は皆さんにまかせましょう。博士号を持っていなくても化物じみた経歴の人がゴロゴロいます。


 もっとも、日本と欧米では博士課程の扱いや、博士課程にいる学生の扱いとか、博士号の扱いがまったくと言っていいほど違います。その点について言うなら、日本で博士号を取れというのは酷かもしれません。


 他のジャンルだと実際どうなのかはわかりません。各々のジャンルで、リストを挙げてくれる方がいましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。


 もちろん、博士号を取ったからSciFiが書けるわけでもなく、SciFiを書くために博士号が必要なわけでもありません。この事実を挙げる必要があるだろうと思ったからです。

 さらに言うなら、博士号は持っていませんが、ジェムズ・P・ホーガンのように思想を持っていた人も確認できます。

 そうして何を言いたいかというと、SciFiはSF(それが何なのかは知りませんが)と違い、読むのにも書くのにも、知識と思想という明らかな障壁があるということです。

 この障壁があることは、文芸において異常なことかもしれません。あるいは、異常と見做されることかもしれません。異常と見做されるならむしろ歓迎ですね。「理解から逃げよ。疾く逃げよ」で書いたように、「Idiotは自家発電してろ」を援護してくれることでしょうから。

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