第2話ドッキリをしかけよう

ぼくの名前は星野天使。

その名の通り本物の天使です。それ以外の何者でもありません。

天使の仕事は人を助けること。

困った人を助けるため、今日もぼくは空を飛んでいます。


ある日の夕方のことです。

ぼくは俯いて空き缶を蹴飛ばしながら歩いている男の子を見つけました。

気になったので彼の傍にきて話しかけることにしました。

「どうしたんですか?」

「毎日がつまんねーんだ。学校行って帰ってゲームをするだけの日常なんてつまんねーんだよ。ああ、俺もリア充並に充実した毎日を送りてーな」

「じゃあ、少し毎日をよくするお手伝いをしてあげましょうか」

「そう言えば、お前誰?」

「ぼくは天使です」

「ふーん。なんでもいいけど、このつまんねー日常をどうにかしてくれるなら助かるよ」

そして数日後……

ぼくは再び彼に会いました。

なんだか以前会った時よりぐったりしているようですが、一体何があったのでしょうか。駆け寄って訊ねてみると、彼はこんな事を言いました。

「もうドッキリやめてくれないか?」

「変化があればと毎日ドッキリを仕掛けてみたのですが、逆効果だったみたいですね」

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