断罪(つみ)と懲罰(ばつ)と秘丸優希
六原とむて
第一章 罰ゲーム
お楽しみ会、という言葉はある意味的を射ている。ただし、それを楽しむ側の人間にとって、という話だが。
ちなみに開かれている場は小学校ではなく、れっきとした十代後半の少年少女が通う高等学校。その時点で既に違和感満載ではあるものの、クラスの親睦を深める為、という実にもったいぶった理由により、たまたま一年一組という組織の構成員に選ばれただけに過ぎない僕も、いやおうなしにそのクラス行事に参加させられていたというわけだ。
そして、ハンカチ落としだかフルーツバスケットだか椅子取りゲームだかはっきりとは覚えてはいないが、そういった類のゲームの最中に、僕はクラス全員に敗北した。
(家に帰ってこの前買った小説の続きが読みたいなぁ)
そんな事を考えていた矢先の敗北である。
「おい、
ゲームの進行状況など全く気にも留めていなかった僕は、クラスのボス格の男子に急き立てられ、ようやく我に返った。
「早くしろよ~、時間勿体無いだろ~」
取り巻きの男子たちが口々に囃し立てる中、僕はクラスの輪の中へと強引に引きずり出される。『輪』と言えば聞こえはいいが、目の前の光景はそんな暖かいものではない。例えるならば、それは腹を空かせた狼の群れのど真ん中に放り込まれた羊の心情そのものだった。いわゆるスケープゴートというやつだ。もっとも、羊ならゴートじゃなくてシープだろ、と内心つっこみたくなるのはさておき――。
「じゃあ、これから罰ゲームとして、憂島にはみんなの前で好きな女子の名前を大声で叫んでもらいま~す!」
いきなりボス男子がそんな事を言い始めたので、思わず僕は「はぁ?」と返してしまった。小声だったので溜息の「はぁ」にしか聞こえていないかもしれないが。
「ルールなんだからちゃんとやれよ~」
取り巻きがまた野次を飛ばしてくる。そもそも一体誰が決めたルールだというのだろうか。そんな物に合意した憶えは全くない。まぁ、そう主張したところで連中が聞く耳を持つなんてありえないけどな。
僕の沈黙の長さと比例して、周りの雑音は徐々に大きくなっていく。
「ちなみにお母さんの名前とか芸能人はナシだからな~、あはは」
安心しろ、僕は親も芸能人も嫌いだ。
「ちょ、あいつに告られる女子ってまじ可哀想じゃない?」
「ほんと~、なんか告られる方が罰ゲームって感じ~」
安心しろ、お前らみたいなゴミ女は最初から僕の眼中にないから。
「あれ~、いつまで黙ってるんすか~? もしかしてこいつホモじゃね?」
こいつらの頭の中には人権感覚という物がないのだろうか? 一度こういう奴はヨーロッパのプライドパレードの列の前で同じ発言をして、オネエ様たちにボコボコにやられちまえばいいのに。
「言わねえと、どうなるかわかってるよな?」
出た、最終手段の暴力。結局奴らは有史以前の原人とやっている事に変わりがないのだ。原始人だってこんな奴らに例えられるのは願い下げだ、と肩をすくめるに違いない。
仕方がない。こいつらの『ゲーム』とやらに付き合ってやるとするか。
しかし、一体誰の名前を叫べばいいのだろう? 誰からも愛された事などない僕が、この場で想いを伝えたところで相手に届く筈もない。そもそも僕が想いを寄せる相手なんてこの場にいない。もしいるとするならば――。僕の選択肢は一つしかなかった。
「一年二組の
望み通りの答えを聞かせてやったというのに、周囲の反応は全く淡白なものだった。というより、僕の声が叫びというより呟きに近かったのも一因かもしれないが。
クラスの雰囲気は盛り上がりとは真逆の方向に流れていった。
「秘丸優希? 誰だよ、それ」
「知らねーよ」
「つーかこいつ、彼女いないから適当に想像上の名前とか言ってるんじゃね?」
「うっわ~、マジきもいんですけど~」
ふざけるな。秘丸優希はちゃんと実在する。お前らが見ようとしていないだけだ。
「秘丸さんはちゃんといる!」
その瞬間、教室の中は水を打ったように静まり返った。
しまった。どうやら思っていた事を無意識に口に出してしまったようだ。今振り返れば、本当に無意識だったのかも定かではないが。寧ろ敢えて意識していたのかもしれない。
沈黙が数秒続いた後、ようやくボス格男子が口を開いた。どうやら静寂に耐えきれなかったらしい。
「じゃ、じゃあさ――お前、証明してみろよ?」
そう言うと、ボス男は僕の制服のポケットに入っていたスマートフォンを――すっかり『型遅れ』になってしまったそれを、引っ手繰るようにして取り出し、みんなの前でこう宣言した。
「皆さ~ん、どうやら憂島くんが証拠として、告白の瞬間を録音してくれるそうですよ~」
「⁈」
一体何を言い出すんだこいつは。
「おっ、まじかよ!」
「頑張れよ、憂島!」
さっきまで冷ややかだったクラス内の空気が、一転してまた賑やかなものとなった。あくまで当事者の僕以外にとって、という話ではあるものの。
「明日までにちゃんと告白してこいよ? さもないと――」
ボス男はまた暴力による脅しを仄めかす。さすがの僕ももう限界だった。
仕方なく、僕は奴らの要求を呑み込んでやる事にしたのである。
罰ゲーム、なんて言葉は所詮勝者の目線から作られた語に過ぎない。科せられる側の人間にとって、それは単なる『罰』でしかないのだから。
ところで、何故僕が秘丸優希の名前を叫んだのか、もとい呟いたのかについて触れておく必要があるだろう。
僕が彼女と初めて出会ったのは、お楽しみ会が開かれるほんの一週間前――すなわち新学期が始まって間もない頃だった。そんな最近出会ったばかりの女子に告白するなんて常軌を逸しているとしか言いようがないけれども、この場合常軌を逸しているのは僕にそう仕向けた連中にほかならない。
それでもやはり、僕が秘丸優希に対し、敵意でもなく、悪意でもなく、好意を抱いているというのは紛れもない事実である。
一週間前の放課後、僕はチャイムが鳴るのと同時に教室を出て、そそくさと帰ろうとしていた。なるべく人目を避けるようにして、わざと人気(ひとけ)のないルートを経由して校門を出ようと試みていた。僕がそんな風にこそこそ隠れるようにして帰らなければならない理由は、これまでの話の流れで大体想像がつくだろう。もし想像がつかないというのであれば、それは何よりも幸せという証拠だ。知らない方が幸せだ。
とにかく、僕は普段あまり人が通らない方面の廊下を早足で歩いていたのだが、曲がり角に差し掛かった時に突然目の前に小柄な人影が現れた。
「わっ!」
あまりに急な出来事で、さほど運動神経も良くない僕は咄嗟に避けることもできず、そのまま運悪く真正面からぶつかってしまったのである。結果的に云えば『運が良かった』のかもしれないが、敢えて訂正する必要もないだろう。
「だ、大丈夫?」
とりあえず僕は、ありきたりでありふれたそんな言葉を、正面衝突した人物に投げ掛けた。幸い怪我はなさそうだが、ぶつかった衝撃で手に抱えていたノートを落としてしまったようである。
「ごめん、今拾うから」
向こうの方も前方不注意だったので、百パーセントこちら側の過失だったとは言い難いが、最低限の礼儀として、最低限のマナーとして、僕は身を屈めてノートに手を伸ばした。
ふとノートの表紙を目にした瞬間、僕はつい吹き出してしまいそうになった。このご時世に、ご丁寧にも濃い油性マジックで堂々と、しかもど真ん中に名前が書かれているではないか。
『一年二組 秘丸優希』
今どき小学生でもこんな風にノートにでかでかと名前を書いたりはしないだろう。
しかし、この時僕が抱いた感情は嘲りではなく、好感に近いものだった。
(こんなに清々しく名前を書ける子に、悪い奴なんていないよな――)
それが率直な感想である。
そして予想通り、目の前にぺたんと座り込んでいる長い髪の少女は、絵に描いたように善良な雰囲気の持ち主だった。彼女からはほかの連中のような悪意や冷酷さが一切感じられない。どういうわけか、僕は彼女が今まで会った人間とは全く違う部類であると瞬時に悟ったのだ。今になって思い返すと、それは必然的な直感だったのかもしれない。
だが、僕が一方的にそう思ったところで、向こうも同じ考えであるとは限らない。この前クラスの女子が落とし物をした時に拾ってあげたら、感謝されるどころか死んだ魚を見るような目で、死んだ魚のような目で冷たく睨まれた事は記憶に新しい。
ところが、秘丸さんの表情は感謝、侮蔑、そのどちらでもなかった。そう、一言で表すならば、一番近いのは驚き――。別に転んでびっくりしたとかそういうわけではなさそうだ。まるで世間から隔離されて育った子供が、生まれて初めて他人から話しかけられたかのような、そんな表情――。
ありえない。こんな可愛くて善良そうな女の子が、誰からも話しかけられた事がないなんて。僕とは真逆で誰からも愛される、光に満ち溢れた人生を送っていそうな子が。
(きっと今見たのは僕の錯覚だ)
そう自分自身に言い聞かせるようにして、思い込むようにして、僕は秘丸さんに声を掛けた。
「二組か、同じ学年だね。僕は一組なんだけど――」
普段自分から話しかける事など断じてない僕。そんな僕が会話を試みようとするのはめったにない貴重な経験だったのだが、残念ながら会話はそこで打ち切りになった。そもそも、会話が成立していたかどうかも定かではない。僕が一方的に話しかけようとしただけなのだから。
とにかく、僕が拾い上げるよりも先に秘丸さんがノートをパッと掴み取り、一目散に無言で走り去った――ただそれだけの話だ。
以上が僕と秘丸優希の邂逅の一部始終である。これだけでは何故僕が秘丸優希を好きになったのかという論理的説明にはなっていないかもしれない。
俗っぽい言葉でまとめてしまえば、それはいわゆる『一目惚れ』に近いものだったのだろうか。
ただ単に、好奇心を抱いたに過ぎない。しかし、好奇心と好意とは、ある意味紙一重なんじゃないだろうか、と僕は思う。そもそも一ミリたりとも好意を抱いていない人間に対し、好奇心を抱くなんてまずありえない。それが好意であれ、敵意であれ、好奇心とは関心を持っている相手にしか抱かない感情なのだ。もし全く眼中にない相手ならば、そこに生じるのは好奇心ではなく無関心である。だからこそ僕は秘丸優希が好きなのだ、と勝手に結論付ける事にした。
それにしても、どうして彼女はたった一人で人気のない廊下を、逆の方向から走ってきたのだろう? もしかしたら前の授業が移動教室だったとか? それなら納得できる。
そんなわけで、話は再びお楽しみ会の日に舞い戻る。その日は比較的授業が早く終わったので、僕は校門の近くで秘丸さんを待ち伏せする事にした。
(これじゃあ変質者みたいだよな――)
そう思いつつも、ほかに選択肢がなかったのだから仕方がない。僕の学校は土足だから靴箱に手紙を入れるなんて古風な手段は使えないし、ましてや面識がほぼゼロに等しい女子の連絡先を聞き出すなんて僕には無理な話だ。
(その面識ゼロの女子にこれから告白しようとしてるんだけど――)
しかし、僕みたいな奴に罰ゲームで告白されるなんて、秘丸さんが不憫としか言いようがない。
『告られる方が罰ゲームって感じ~』
あの時の女子の言葉が妙に納得できた。それでも僕には諦めるという選択肢が初めから存在しない。もし断ろうものなら、待っているのは暴力という名の地獄だ。
それに比べれば、ほんの一時恥をかくぐらいどうって事はない。かえって秘丸さんが恥をかくかもしれないのが気の毒ではあるが。
だからこそ、僕は下校時刻を見計らって、なるべく秘丸さんが学校から人通りの少ない場所まで離れた時点で声を掛けようと考えていた。告白が失敗に終わるだろうというのは大体予想がつく。でもあの善良そうな秘丸さんの事だ、おそらく『あの、私まだ恋愛よりも勉強に集中したいの』とか『ごめん、ほかに好きな人がいるの』みたいな角の立たない理由をつけて、きっぱりと、すっきりと、清々しく断ってくれるに違いない。別に告白の成功までは求められていないのだ。少々笑い者にはされるだろうが、それで済むならそれに越したことはない。
もし秘丸さんが友達と一緒に、もっと最悪な事に彼氏と一緒に下校でもしていたら計画は台無しだったが、幸運にも――秘丸さんにとっては不運にも――彼女は一人だった。
友達がいないんだろうかという疑問はさておき、絶好の機会を逃すわけにはいかない。僕は気づかれないように、気配を消しながら彼女の後をつけ始めた。
かれこれ歩き続けて十分ぐらい経っただろうか。今のところ秘丸さんが僕に気づいている様子はない。歩きスマホをする事もなく、黙々と前を向いて歩き続けている。周りに人の姿も見えなくなったし、そろそろ声を掛けてもいい頃合いだろう。僕は世間ではとっくに『ヴィンテージ』扱いされているモデルのスマートフォンを取り出し、録音機能をオンにした。
さあ、どういう風に声を掛けよう。万が一ずっと後をつけてきた事がばれたりでもしたら一貫の終わりだ。振られるだけでは済まず、警察を呼ばれてしまう可能性がある。ここはあくまで偶然を装って、気軽に声を掛けてみるのが賢明だ。
僕は数メートル離れた地点から駆け寄って、こう呼び掛けた。
「あ、秘丸さんだよね!」
見ればわかる。
「奇遇だなぁ。こんな所で会うなんて。帰り道同じ方角だったんだね」
これは全くの大嘘だ。僕の自宅は真逆の方角にあるのだから。しかしこうなったら嘘を前提に話を進めるしかない。
「あの、突然こんな事言い出したら変に思われるかもしれないけど――」
思い切って僕は散々頭で考えたセリフを口に出そうとした。
「月が綺麗ですね」
いや、そこで何故夏目漱石が出てくる!
「?」
秘丸さんはきょとんとした顔で振り返った。恥ずかしい! 猛烈に恥ずかしい!
これならいっそのこと、『今まだ昼なんだけど、バカじゃないの?』とか罵倒してくれた方がまだマシだったかもしれない。しかしながら、彼女はその曇りのないつぶらな瞳で、僕の顔をまじまじと見つめてきた。駄目だ! このままだと緊張して何も言えなくなってしまう!
僕は一気に息を吸い込み、本当の本当に考えていたセリフを吐き出した。
「は、初めて見た時から好きでした! 僕と付き合って下さい!」
言ってしまった。さあ、秘丸さん、早く言葉を返してくれ。正々堂々と僕を振ってくれ。
しかし、次の瞬間返ってきたのは、『あの、誰ですか?』でもなく、『なにこいつ、マジキモイ~』でもなく、まったくもって見当違いの、検討の余地すらない言葉だった。
「貴様、私が視えるのか?」
バタフライエフェクト、という概念がある。蝶の僅かな羽ばたきでさえも非常に大きな出来事を起こすきっかけになり得るし、引き金になり得る――みたいな意味だったと思うのだが。
ならば、その時僕の身の上に起こった出来事もその一種だったのかもしれない。例えば、僕が柄にもなく発した大声の振動が、たまたま近くにあった電信柱の根元の腐食した部分――毎日欠かさずルーチンワークのように決まりきった時間に飼い主に散歩に連れ出されている犬が、これまたルーチンワークのように行っているマーキング行為の結果として錆び付き腐りきった部分に直撃し、その衝撃で折れた電信柱が僕の恋する秘丸優希にはかすりもせず僕自身の真上に倒れてきたというような――。
もしかしたら僕は分不相応にも僅かな可能性を期待していたのだろうか。秘丸さんが「私も初めて見た時からあなたが好きでした!」と返してくれる可能性を。だとしたら、この結果はそんな愚かな望みを抱いた僕に下された懲罰だったに違いない。
そういうわけで、僕は告白の直後に落命した。まだ第一章も終わってないのに!
つまり、ここから語るのは僕の死後の物語だ。寧ろ物語はここから始まると言っても過言ではない。いや、『ここから終わる』の方が正しいか。厨二病的な言い方をするならば、さしずめ『終わりの始まり』――。
うっすらと瞼を開いてみると、僕は金色の淡い光に包まれていた。なにやら竪琴の奏でるような心地よい音楽も耳に流れてくる。
(ここは――天国か?)
あるいは地獄か。非常にテンプレな反応ではあるが、多分僕と同じ状況になれば誰もがそう考えるだろう。もっとも、僕と同じ状況に陥る人間なんて世界のどこを探してもいないと思うけど。
しかし、僕がいるのは天国でも地獄でもなかった。ましてや異世界に転送されたわけでもなかった。その証拠に、周りの風景は僕が先程までいた閑静な住宅街と全く変わっていない。
そして、何故か僕を直撃したはずの電信柱は元の位置に戻っていた。
(そんな……)
だが、あの大事故が夢ではないという事ははっきりと断言できる。というのも――
「って、僕のスマホ‼」
そう、愛用しているスマホが僕の代わりに粉々に砕け散っていた。
「ちょ、困るんだけど! どうしよう、さっきの録音が……」
いつになく取り乱してしまう僕。『あれ? 僕ってこんなキャラだっけ?』と心の中で自問自答してしまうレベルの取り乱し具合だった。
大慌てで駆け寄ろうとした瞬間、頭上から突如透き通るように澄み切った声が聞こえてきた。
「全く、己の身よりも携帯機器の心配をするとは……典型的な『現代っ子』だな!」
僕はその声に聴き憶えがあった。それもそのはず、ついさっき聞いたばかりの声を忘れる奴なんていないだろう。
「ひ、秘丸さん?」
僕の反応が疑問形になってしまったのには理由がある。目線の先にいたのは、僕の知っている秘丸優希の姿とはまったくもって似て非なるものだったからだ。
髪の色はエルフかと見間違える程に美しく輝く銀髪に、着ていた制服は光沢のある白い絹のドレスへと変貌していた。そして瞳の色も、通常の日本人のそれとはかけ離れたトパーズのような黄金である。腕にはギリシャ神話の本の挿絵に出てきそうな竪琴を抱えていた。そうか、あの音楽はここから流れていたのか……とか納得してる場合じゃない! そもそも小柄な秘丸さんの声が僕の頭上から聞こえてくるなんてどう考えてもおかしい。僕は驚きのあまり自分の目を疑った。。
秘丸優希の体は、まるで重力を無視したかのようにふわふわと浮かんでいたのである。
(なにこの唐突すぎるファンタジー展開っ⁈)
「随分と驚いているようだな。まぁ無理もない」
一方的に話し始める秘丸さん。というか、なんでやたらと王様みたいな口調なのだろう。
「それより驚いたのは私の方だ。なんせこの私を『視た』のは貴様が初めてだからな。本来なら貴様はここで死ぬべき運命だったのかもしれんが、例外として生き返らせてやったのだ」
「……生き返らせた?」
「ああ、だがそれはあくまで私の気まぐれにすぎん。なんせ、貴様の意志とは関係なしに生き返らせたのだからな」
なんだか話が壮大になってきた。展開があまりにも急すぎてついていけない。寧ろこの場合はついていけた方がある意味異常だろう。
僕がショート寸前の思考状態のまま立ち尽くしていると、秘丸さんはそれを察してか、わざとらしく咳払いをしてからこう続けた。
「つまりだな、あくまで応急処置として貴様を助けてやったわけだが、元々このような仕事は私の管轄ではないのだ。だから――」
そう言うと、彼女は黄金の瞳で僕を真っ直ぐに見据え、究極の問いを突き付けた。
「――貴様が決めろ。生きるか死ぬか」
何故か僕は即答できなかった。単に『生きたいです』と答えれば良かったものの。
きっと僕は迷っていたのだ。もしこのまま生き続けたとしても、虫けらのような連中から虫けらのように扱われる日々からは逃れられない。ならばいっそ、この場で暖かい光に包まれたまま、世にも美しい女神のような姿の秘丸優希に見惚れながら死んでしまった方が楽なんじゃないだろうか? そんな考えが頭をもたげた。
「……」
沈黙したまま佇んでいると、頭上の秘丸さんは痺れを切らしたかのように眉を顰めた。そしてこう言い放つ。
「時間切れだ。折角救ってやったというのに恩知らずな奴め」
次の瞬間、彼女は抱えていた竪琴を電信柱に向かって投げつけた。
「‼」
再び電信柱が倒壊してくる。しかし、今度は僕の真上にではなく、僕の目の前に――。
その時僕が目にしたのは、世にもおぞましい光景だった。轟音を立てて崩れ落ちた電信柱の下敷きになっているのは、ほかならぬ僕自身ではないか。
「え?」
俄かには信じられなかった。だって僕は今ここにこうやって立っている。じゃあなんで僕が下敷きに?
「言っただろう? あくまで応急処置だと」
秘丸さんがにやりと笑みを浮かべた。
「どうする? このままだと死ぬぞ、貴様」
いつの間にか電信柱の周囲は、僕の死体からとめどなく流れる血で赤黒く染まっていた。
「うっ……」
死体なんてまともに見た事のない僕は、ショックで言葉を失った。ましてやそれが自分自身の死体となれば、なおさらだ。
(つまり、今ここにいる僕は魂だけの状態なのか? いわゆる幽体離脱みたいな……)
あまりにも惨すぎる状況に、僕は吐き気がこみ上げてくるのを感じた。
「馬鹿め。死には苦痛も恐怖もないとでも思ったか? 目を逸らすな。これが現実だ」
刃のように突き刺さる秘丸さんの言葉――。その言葉が僕の目を覚まさせた。
彼女はさらに畳み掛ける。
「もう一度訊く。生きるか死ぬか、どちらか選べ」
「判った! 生きる! お願いだから助けてくれ!」
心から生きたいと願うのが自分の死を目の当たりにしてからだなんて、皮肉にも程がある。しかし僕は軽蔑されたくなかったのだ。僕の命を救ってくれた美しい少女に。
「いいだろう」
僕の答えに納得したのか、秘丸さんは満足そうに微笑んだ。それと同時に、目の前に倒れていた電信柱も、血塗れになった僕の死体も、跡形もなく綺麗さっぱり消え去った。まるで幻を見ていたかのようだ。
「……有難う」
素直にそんな言葉が僕の口から零れ出る。もしかしたら誰かに心から感謝の言葉を述べるなんて、これが初めてかもしれない。
「うん、実に良い返事だ!」
太陽のように朗らかな表情で笑う秘丸さん。秘丸さん……。ふと僕は、自分の死に囚われて肝心な問題を置き去りにしていた事を思い出した。
「あの、本当に秘丸さんだよね?」
「いかにも、私は秘丸優希。天界人だ!」
清々しいまでのドヤ顔。……って、今さらりと聞き慣れない単語を挟まなかったか?
「天界人⁈」
「そうだ、天界人だ!」
何なんだろう、この『これはペンですか?』『はい、それはペンです』的な会話の流れは……。
「ちょっと待って、状況を整理しよう」
「残念だが、貴様にくれてやる時間はもうそんなに残っていないぞ!」
「そうなの⁈」
「うむ、だが一つぐらい頼み事を聞いてやっても良いが」
「じゃあ……」
あまりに複雑すぎる展開で頭が既にパンクしかかっていたのだろう。僕はつい、くだらないにも程がある頼み事をしてしまった。
「もし良ければ……スマホも直してくれないかな?」
「現代っ子め」
思いっきり軽蔑された。
結局秘丸さんは渋い顔をしつつもスマホを直してくれたのだが(ちなみにその時もスマホの破片を手の中に包むだけで元通りにするという文字通りの神業を披露してくれた)、残念ながらそれ以降の記憶は残っていない。というのも、その直後に僕が目覚めたのは路上ではなく、自宅のベッドの上だったからだ。
(壮大な夢オチかよっ!)
今時ラノベでも流行らないぞ、こんなベタすぎる結末。
その割にはまだ『死んだ』時の感覚が生々しく残っている。僕はふと、自分の右手の中を見つめる。スマホを握り締めたままだった。どれだけ大事なんだよ、スマホ。女神のような姿の秘丸さんに散々現代っ子だと罵られたのを思い出す。
(でも、もし『あれ』が本当だったとしたら……)
僕は恐る恐るスマホのホームボタンを押し、画面をスライドしてロックを解除し、四桁の暗証番号を入力し、録音機能を立ち上げた。
録音の記録は……ちゃんと残っている。日付は今日の昼過ぎで間違いない。だとすれば、僕は確実にあの場にいたのだ。
再生。
制服のポケットに入れたまま録音していたので明瞭とは言い難いが、音声はきちんと聞こえてくる。僕の間抜けすぎる告白内容も一字一句残らず録音されているようだ。これでとりあえずボス男子たちには弁明できるだろう。
録音は秘丸さんの『貴様、私が視えるのか?』という返事の部分で途切れていた。告白の返事としては意味不明ではあるものの、一応彼女の肉声なのは事実だ。秘丸さんが突然の告白に動転してつい冗談を口から滑らせてしまったのだ、とでも言えば多分釈明はできるだろう。
録音を一通り聞き終わったところで、やはり疑問が生じた。
一体どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが夢だったのか。
冷静に考えてみれば、人が空中浮遊したり、死んだ人間が復活したりするなんてあり得ないのだ。
だから僕はこう決めつけた。こう思い込むことにした。
(きっと告白なんて柄にもない事したから、緊張しすぎて気絶したんだ)
おそらく秘丸さんは即座に救急車でも呼んでくれたのだろう。その時彼女に世話になった記憶が混乱して、思春期の少年が生み出したファンタジーかよ! と突っ込みたくなるようなあのわけのわからない妄想を生み出したに違いない。うん、きっとそうだ。そうじゃないとおかしい。僕は慣れない事をしたストレスで精神が不安定になっていたのだ、以上。
そして翌日――。てっきり罰ゲームの事なんて忘れられているかと思っていたのだが、そう都合の良い展開にはならなかった。
「おい憂島、ちゃんと録音してきたのかよ?」
帰りのホームルームが終わってチャイムが鳴った途端、例のボス男子たちがにやにやと下卑た笑みを浮かべながら取り囲んできた。補足しておくが、これまで散々『ボス男子』呼ばわりしてきたけれども、別に彼らの名前が『
何故そこまで恵まれた彼らが、僕みたいな一介のスクールカースト最下層民の動向に固執するのかまったくもって理解不能だったけれど、これ以上議論を先延ばしにしてとやかく言われるのも厄介だったので、渋々受け答えする事にした。
「ああ、録音したよ」
「おおっ、まじか!」
気色の悪い笑い声を上げて騒ぎ始める北風たち。
「じゃあさっさと聞かせろよ!」
北風は昨日と同じように僕のポケットからスマホを奪い取ると、乱暴な手付きで電源を入れようとした。しかし――
「……って、これどうやるんだよ! わかんねーじゃねえか!」
(だったら最初から勝手に触るなよ)
そう怒りたくなる気持ちを抑えつつ、僕は北風から突き返されたスマホを冷静に起動する。
「ほら、ここに録音してあるから」
親切に説明してやったのにも関わらず、北風の隣にいた男子が僕の後頭部を拳で殴ってきた。
「いちいち言い方がムカつくんだよな、こいつ」
取り巻きはその様子を見てげらげらとわざとらしく笑う。
「まぁいいじゃん。ちゃんとやってきたみたいだし、大目に見てやろうぜ?」
俺たちは寛容なんだからな、と付け加えると、北風は再生ボタンを押した。
(寛容な人間が寄ってたかって一人の人間をコケにしたりするもんか……)
徐々に不快な気持ちが込み上げてくる中、北風が手にしたスマホから音声が流れてきた。
『あ、秘丸さんだよね!』
録音した自分の声というのは何故こうも不自然に聞こえるのだろう。ましてやそれが公衆の面前で流されるとなれば、気分は最悪だ。
雑音混じりで聞こえてくる僕の声――。しかもよりによって内容は茶番としか言いようのない代物である。これ以上の屈辱がこの世に存在するだろうか。
(時間よ、早く過ぎ去ってくれ!)
僕は目を瞑りながら密かに祈った。どれだけ恥ずかしかろうが、秘丸さんの最後の一声さえ聞く事ができれば奴らは納得する筈なのだ。
ところが、最後のくだりになって北風たちの表情が一変した。
『……』
その時の様子を如実に表す言葉は皆無に等しい。小説で表すならば差し詰め六点リーダーで補う程度だろう。何故ならば、本来秘丸優希の意味不明な返答で締め括られるべきそれは、無機質な砂嵐のような音にすり替わっていたからだ。
「そんな!」
僕の口からは追い詰められて自滅寸前の悪党みたいなセリフが無意識に零れ出た。昨日再生した時はきちんと聞き取れた筈なのに。北風たちは堰を切ったように責め立て始める。
「どういう事だよ、ちゃんと説明しろよ」
「やっぱりこいつ嘘吐いてんじゃね?」
「だよな~、怪しいと思ったぜ」
「大体こんな奴に告白とかできるわけないって」
口々に発せられる非情な言葉の数々。否定、否定、否定、否定……全てを否定しようとする言葉たちに、僕の心は今にも押し潰されそうだった。
「本当だ! 秘丸さんとは昨日ちゃんと会った! 先週の月曜の放課後だって、ちょうど秘丸さんは移動教室の帰りで……」
必死で反論を試みる僕。だが、北風はそんな僕を鼻で嗤った。
「はぁ、移動教室? 俺二組に友達いるけど、月曜の最後の授業は数学だって言ってたぜ」
一体どういう事だ? 彼女は確かあの日、普通教室とは逆の方向から走ってきたのに……。
「俺らに平気で嘘吐くとか、いい度胸してんじゃん?」
北風はそう言いながら僕の首元を掴むと、そのまま教室の隅へと突き飛ばした。僕が倒れ込むのと同時に、積んであった段ボール箱がガタガタと音を立てて崩れ落ちる。その様子を見ながら取り巻きはまた大げさに囃し立て始めた。
「ざまあ!」
「もっとやれよ!」
「いや、やめとく。一応ここは学校だしな?」
薄ら寒いとしか言いようがない北風のジョーク。それでも取り巻きたちは媚び諂うようににたにたと笑い続けている。
「じゃあ、一旦場所を変えますか?」
「おう!」
その後の事はあまり憶えていない。頭部をしこたま殴られたせいで意識が朦朧としていたからだ。まさか二日連続で意識不明になるとはな。皮肉なものだ。
今度も目覚めたのがベッドの上だったらどれほど良かった事だろう。でも残念ながら、そこは見た事のない工事現場のような場所だった。
体のあちこちが痛む上に、身動きすら取れない。どうやら僕の両手は粘着テープでがんじがらめに縛られているようだった。
「北風、憂島が起きたみたいだぜ!」
「随分とお寝坊さんだな、憂島くんよぉ」
みっともない姿で地面に転がされている僕を、北風がさも愉快そうに覗き込んできた。
「それにしても
「……誰だよ、内村って」
体の自由が奪われて抵抗できないので、僕はせめて言葉だけでも抵抗しようとした。
「俺らの先輩だよ。色々世話になってる。まぁ、こんな話を友達いないお前にしても意味ないけどな。ただの自慢話になっちまうぜ」
「なぁ、さっさとボコろうや。予定通り罰ゲーム始めようぜ」
そう言いながら取り巻きの一人が近付いてくる。手には何か長い棒のような物を持っているようだ。
(金属バットか……)
雰囲気的に和やかに野球をするとは到底思えない。だとすれば……。
「ほら、罰ゲームだぜ! 憂島ぁ!」
北風は僕の体を取り巻きの輪の中心まで引き摺ると、顔面にコンクリートブロックをいきなり押し当ててきた。
「コンクリートはよく噛んで食べないと駄目だよ。憂島♪」
ふざけるな。録音に失敗しただけで何故ここまでされないといけないんだ。
反論する間もなく、僕の口は数人がかりで無理やりこじ開けられ、コンクリートブロックを突っ込まれた。勿論巨大なコンクリートブロックが口の中に入るわけもなく、僕の上顎と下顎は堪らず悲鳴を上げる。
「うぅっ!」
その様子を見ながらさも嬉しそうに大はしゃぎする北風たち。
「悪く思うなよ? お前が俺らに逆らったのがいけないんだぜ~」
北風は無抵抗に等しい僕の脳天を目がけ、金属バットを振り下ろした。鈍い音を立てながら頭蓋骨が陥没する。
「面白そ~、俺にもやらせて!」
別の奴も一発。今度は衝撃に耐えきれずに前歯が何本か折れる音がした。
「俺も俺も!」
もう一発。咳と共に口から血が溢れてくる。
(殴られただけで内臓が破裂して吐血するなんててっきりバトル漫画の世界だけかと思ってたけど、本当だったんだな……。)
そんな呑気な事を考えているうちに、僕の意識はどんどん遠のいていく。
『おい、こいつ動かなくなったぞ』
『うっそ、死んだんじゃね?』
『大丈夫だって。俺の親父警察だから、万が一死んでも揉み消してくれるし。前に万引きした時も平気だったぜ』
『なら安心だな。うちの親も政治家やってるし、いざとなったらマスコミなんてラクに口止めできるしよ』
自慢話のオンパレードのような会話がうっすらと耳に流れ込んでくる。だからと言って、どうしようもない。僕は既に指一本すら動かせなくなっていた。
『どうするよ、これ』
『しゃあないから埋めるか。どうせこの工事現場だいぶ前からほったらかしなんだからさぁ、多分ばれねえだろ』
『ばれたらばれたで、その時はその時だよな!』
説得力など皆無に等しい理論で勝手に納得した彼らは、今度はスコップを使って僕の体に土をかけ始めた。
(土葬するつもりかよ……。僕はまだ生きてるのに)
しかし僕は何も言えなかった。喉も完全に潰されている。口の中に土と血の入り混じった苦い味が広がっていくだけだ。
完全に僕の体が土に埋もれて見えなくなったのを確認すると、北風たちは安心したかのように帰り支度を始めた。
『よし、そろそろ帰るか』
『あー、なんか清々したぜ!』
ところで、ここで一つ疑問が生じる。何故『埋葬』された筈である僕に、彼らが帰り支度をしている事が判ったのだろう? 冷静に考えてみてほしい。目も耳も口も完全に土で覆われている状態の僕が何故?
この話があくまで僕が都合の良い、そして勝手の良い一人称によって語っている後日談だからと言ってしまえば容易いが、それでは元も子もない。
ならば、こう結論付けるのはどうだろうか。
既にその時、僕は僕ではない『何者か』になっていた――。
「待てよ……」
無人の筈の背後からいきなりそんな声が聞こえてきたら、誰もが一瞬振り向こうとするだろう。
「な、なんか今聞こえなかったか?」
北風の取り巻きの一人が辺りをきょろきょろと見回す。
「俺にも聞こえたぞ。おかしいな、誰もいるわけが……」
彼の言葉はそれ以上続かなかった。いや、続ける事が物理的に不可能だったのだ。いきなり地面から伸びてきた毒々しい紫色のヘドロのような物体に両足を掴まれ、声を上げる間もないまま強引に引き摺り込まれ、突如現れた大きな地面の裂け目に呑み込まれるという時点で……。
その場にいたほぼ全員が、何が起こったのか把握する前に得体の知れない存在の餌食となっていた。
「おい、お前ら! 一体……」
取り巻きという名の鎧を一瞬にして失った北風は、ただ愕然と、茫然と、唖然として立ち尽くす。
不安な表情で辺りを見渡す北風。しかし彼は気付いていなかった。魔の手が自らの足元からも迫っているという事を。
「!」
気付いた時には手遅れだった。彼の両足は地面から生えてきた毒手に鷲掴みにされ、瞬く間に身動きが取れなくなったのである。
「ひいっ!」
情けない悲鳴を上げながら逃げようとするも、もがけばもがく程『それ』は大蛇のように北風の全身に絡みついてくる。
「やめろぉ!」
それが彼の言い残した最期の言葉だった。断末魔の叫びだった。
地獄絵図のような光景は、次の刹那には何事もなかったかのような静寂へと包まれていた。
(もし今のこの状況にタイトルを付けるとしたら、『そして誰もいなくなった』って感じかな?)
再び呑気な事を考えながら、僕はその場に立っていた。僕……本当に僕なのだろうか?
男子高校生憂島勇は、つい先程私刑によって死刑にされ、血塗れになったまま土葬された筈だ。だったらここに今、こうして立っているのは誰なのだろう。
傷だらけになっているべきである顔面には傷一つなく、欠けているべきである歯は一本も欠けておらず、血塗れになっているべきである体には一点の染みもなく、泥塗れになっているべき服は新品のように新しく、死んでいるべきである憂島勇は生きている。
『僕』は無意識にポケットを弄ると、いつものようにスマホを取り出した。
「ああ、良かった。壊れてなかった」
本当に壊れたのは誰だろう。
高校一年の春、僕はお楽しみ会の罰ゲームの結果として、武闘大会で優勝して魔法学園のエースになる事もなく、異世界に召還されて勇者として民を魔王の手から救う事もなく、可愛い妹キャラに愛される事もなく、不特定多数の美少女たちとハーレムを築くわけでもなく、ただ単に、おぞましい生き物へと成り下がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます