4−14
3人は洞窟の奥に着いた。
「いよいよ、行くんだね。」
『はい。』
『秘密基地には落書き用の鉛筆と紙も沢山あったはず。もしちゃんと残っていたら、好きな様に書くといいよ。』
『ありがとう、ジョーさん。』
「じゃあね。」
ジョーとケーリーは去りながら後ろを向き、マルダに手を振る。
『じゃあね、マルダさん。』
『さようなら。プラーシックバウエの兄弟。』
その時ジョーには見えた。マルダの3頭身の人形だったのが、かつてのオバケの顔をしているのを。皮膚が無く肉がむき出しになり、牙の生えた口。目はほとんど白目であ ったが、その目から涙が流れている姿。それは一瞬であったが、ジョーははっきりと確認した。
ケーリーも呆然としていたのでジョーは言った。
『見えたの?』
「・・・・・ああ。」
『魂の姿かな。』
「そうかもね。」
『うん。』
ジョーは洞窟の出口の光に向かいながら、言った。
『これで、よかったんだ。』
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