2−10

「ジョー・プラーシックバウエ」

「彼の様子がどうも怪しい。」

「放課後時々彼の姿を見かけないという。」

「レリビディウムに入っている可能性がある。」

「私見ましたわ。」

「何をだ。」

「フルネス・テルンデルナッハが、ジョーの事で悩んでいる事を、ウーラム先生に話しているのを。」

「そうなのか。フルネスから様子を訊くことはできるか。」

「それもいいけど、いや、もっと疑わしいのはウーラム先生だと思うの。」

「ウーラムが?」

「3年前の事かしら、入学してしばらくの話ね。あたし見ましたの。ウーラム先生の部屋からジョーがふらふらになって出て行くのを。ちょうどその次の日からね、ジョーの目つきが変わった。きっと何か吹き込んだに違いありませんわ。」

「え、しかし、本当に、彼が。」

「ジョーったらよくウーラム先生の部屋に入ってお喋りしていたわ。そのたびに、どんどん目つきがかわってきて・・・何かを詮索するような顔になってきた。ぜーったい、あれはウーラム先生が吹き込んだ。あの人優しい顔して恐ろしいものを抱えてるんだわ。」

「ウーラム・・・そんなまさか・・・疑わしきは罰せずと思うが・・・」

「あなた私が間違ってるといいたいの?」

「・・・。」

「誰に向かってモノを言ってるか自覚なさってないようね。」

「はい・・・副校長様・・・。」

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