御神楽《怪奇》探偵事務所
姫宮未調
始まり
都市伝説《口裂け女》が《口裂け男》?
──コツコツ……コツコツ……。
俺の後ろで足音がする。通り魔事件とか、ニュースではやっていないはずだ。てことは、アレか……。
俺は溜め息をつきながらも、足を止めない。止めたらヤバそうだから。アレってのはアレだ。……俺は認めたくはないが、認めざるえない。この女顔! ぜってー女と勘違いした変質者の類いだろ。そーいう趣味はねぇよ!
そのまま速度を上げて、全力疾走してアパートまで行き、階段を駆け上がった。そこから隠れながら相手を確認。……やっぱり男だ。だが次の瞬間、俺はゾッとした。トレンチコートを着た男が立ち止まり、アパートを見上げ、ニヤリと笑った。俺を視界に入れていないようだが、違和感を感じた。
あれ? まさか……。
……男の口がやけにデカイ。直ぐに理解した。……口が裂けていると。俺は音を立てないように後ろを向いて、階段の壁に寄り掛かりながらへたりこんだ。
な、何なんだよ……あれ。"口裂け女"は聞いたことあるけど、"口裂け男"なんて聞いたことねぇぞ?
……暫くすると、足音が遠ざかる。そろりと覗いても、アパート前や階段付近、廊下にソイツはいなかった。
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