彼女はロケットパンチが撃てない
塩そると
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私の憧れたヒーローは、ロケットパンチが撃てなかった。
そのことを、彼女はとても悔やんでいた。
ロケットパンチが撃てたなら、私は世界中の悪を成敗するのに。君を脅かす魔の手から、守ってあげられるのに。
けれど、そう言う彼女は笑っていた。拳を突き出し、悪戯っ子のように笑っていた。
私はそんな彼女が眩しかった。悔しかった。私も、あなたを守るヒーローになりたい。手を伸ばせば触れられるほど近くにいるのに、君のいる場所は遥か遠くだった。走っても、追いついたと思っても、また先を行ってしまう。君はそんな所で止まる人ではない。わかっている。置いていかないでほしいだけなんだ。追いかけて、追いかけて、そして、ついに追いついた先にはもうあなたはいない。そんな夢を見る。
私はあなたをずっと追いかける。
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