嵯峨崎地域新聞、嵯峨崎怪奇事件簿にて、ホラー、サスペンスに評判のある著者の文章は意外にも軽やかでスムース。描く人物も楽しげです。その割に情け容赦ないイベントや描写もあり、スムースな分も相まって誰でも想像できる恐怖や姿が印象的でした。続きが楽しみな一作です。
“「平穏」を無くした”というアイデアがすごいと思う。ヒーローが払う代償は数多くあるけれど、これほど悲劇的で、しかも作劇上最高に都合のいい設定は初めて見た。更に、倒叙的に定められた結末を置くことで、軌道を外し過ぎないバランス感覚。これからどんなアップサイドダウンが待ち構えているのか、すごく楽しみ。----160308記