オタク男子は三次元女子が嫌い

イトU

三次元女子しかいない学校なんて嫌いだ!

三次元女子。

それは俺がこの世で一番嫌いと言っても過言ではないものである。

そんな俺は今、新たな高校の正門の前に立っている。

この状況を迎える原因となったのは今から一瞬間前の事ー


「たかし、お前彼女はいるのか?」

「部屋入る時はノックしろよ親父」

親父め......。せっかく俺がラノベ読んでたのに邪魔してきあがった!

「いいから答えろ」

「いるけど?」

「本当か!?」

「ああ!俺の心の中に!陽菜ちゃんという天使が!」

「それは二次元の女の子だろうが......」

「陽菜ちゃんは女の子でもありながら天使でもあるんだ!」

「はいはい、わかったわかった。それで三次元の女の子では彼女はいないんだな?」

「ああ、いない。とゆうか三次女子に興味はない!」

そう!三次元女子なんていらない!二次元の女の子さえいればいい!

「はぁ......そうか。たかし、お前一人暮らしをしろ」

「は?」

なにいってんの?一人暮らしってあの一人暮らし?いや、どの一人暮らしだよ。

「お前には堤ヶ丘学院という高校に転校してもらう。そこで卒業までに彼女を作れ。もちろん、三次元の女の子のな」

「な、なに言ってんだ急に!」

「お前は夢を見すぎだ。少しは現実を見ろ」

なるほど。親父の狙いがわかったぞ。親父は俺に少しでも二次元からとうざけたんだ。三次元女子と付き合えば二次元の女の子から離れてくれる。そう考えてるに違いない!

「学校の先生曰く、【夢を持つ事はいい事だ!その夢は必ず叶う!(イケボ)】だそうだ。つまり俺が夢を見る事は悪い事じゃない!」

「じゃあもし、お前の大好きな陽菜ちゃんが「【たかし君!三次元の世界から目をそむけちゃだめ!(超カワボ)】」と言ったら?」

「陽菜ちゃんがそう言うなら......って俺の陽菜ちゃんがそんな事言うわけない!」

「いつからお前の物になったんだ......」

親父は「駄目だこいつ早くなんとかしないと」と言いたそうに頭を

抱えている。ふ......。残念だったな親父!こうなった俺はもう誰にも戻す事はできんぞ!

「とにかくお前には一人暮らしをしてもらう!いいな!」

「ちょ、ちょっと待てよ親父!」

親父はさっさと俺の部屋から出ていってしまった。


それから一週間が経ち冒頭へと戻ってくるわけだ。どうせ普通の高校かと思ったら

「なんで三次元女子ばっかなんだよおおおおおお!」

正門の前で叫んでやったぜ!とゆうか本当に三次元女子しかいなくないか!?とうりすぎていくのが全員三次元女子なんだが!?

これが全員二次元の女の子だったら......。

「ちょっとそこの君!」

「うわ!ビックリした」

振り返るとそこにいたのはまるで二次元の世界から飛び出してきたかのような美少女が立っていた。

「こんな所で叫ばないの!他の生徒に迷惑でしょ?」

「黙れ三次元女子!俺はお前ら見たいな三次元女子のゆう事なんて聞かないぞ!」

「三次元女子?」

「このリアルの世界での女子だ。俺が好きなのは二次元の女の子だけだ!」

「で、そのオタクがここに何の用?」

「オタクという事は認める!だが俺には斎藤たかしという名前がある!」

「そう。ならあらためて聞くわ、オタかし君。ここに何の用?」

「そのあだ名なぜ知っている!?」

そのあだ名は俺が中学二年生の時につけられてたあだ名だった気がする。いや、一年生か?いろいろあだ名つけられてたから覚えてないや!

「俺は今日、ここに転校してきたんだよ」

「転校?」

「家庭の事情でな」

「そう。あなたがそうなのね」

「あなたが?」

「私はあなたと同じクラスメイトの伊奈日陽菜!よろしく!」

「その手はなんだ?」

「え?握手だけど」

握手......?そいえば小学生の時、クラスの三次元女子と喧嘩して担任が「仲直りの握手しようねー」って言って握手したらその三次元女子が「オタ菌がついたー」って言って泣いて手洗いに行ったな......。そのせいでなんか俺が全部悪いって事にされて......。

俺が悪いんじゃなくて握手させた担任が悪い!

「俺に触るとオタ菌がつくからやめとけ」

「そこは、【俺に触るとやけどするぜ】じゃないの?」

「それを言っていいのはリア充だけだろ!俺はオタ充だ!そんな事は言わない!」

「ねぇ、私の名前覚えてくれた?」

あっさり流された。そうですか。

「え、覚えてない。覚える必要がない。三次元女子と関わる事なんてないからな!」

「私とオタかし君はこれからたくさん関わる事になるの!だから覚えて!」

たくさん関わる?どうゆう事だ......?

「私の名前は伊奈日陽菜!陽菜って呼んでね!」

「陽菜......だと?」

「どうかしたの?」

「俺が知ってる陽菜ちゃんはもっと天使だああああああ!」

俺の叫び声は空高くまで響いた。


「斎藤たかしです。好きな物は、ラノベ、ゲーム、アニメです。嫌いな物は、三次元女子です。よろしくお願いしません」

「こ、個性的な自己紹介ありがとう。このクラスの男の子は斎藤君だけだから寂しいと思うけど、いいクラスだから!」

でたでた......学校の教師ほど嘘つきな人間はいない。中学二年生の時、「学校でゲームするなら帰れ!」って言われて本当に帰ったら「なんで昨日は帰ったんだ!」って言って怒られる。なんでもなにもねえよ!お前が言ったんだろ!

この先生だってそうだ。このクラスがいいクラス?笑わせるな!三次元女子しかいない時点でもう終わってるんだよ!

「それじゃあ......誰か斎藤君に聞きたい事ある人?」

「はい」

「はい。結衣音さん」

「たかし様はお付き合いされてるお方はいらっしゃるのですか?」

その一言でさっきまで「三次元女子ってなに?」とか「顔はまあかまあいいのにオタクとかうけるw」とか言ってた奴らが静まり返った。だがそれは束の間だった。

「はははははは!なにいってるの結衣音!いるわけないじゃんw確かに少しはイケメンだけど中身最悪じゃんw」

こいつ誰だか知らんがあっさりと否定してきあがった!

「黙れ三次元女子!」

「は?」

こいつ、見た目からしていかにも「私、リア充してます♥オタクとかきもーい♥」とか思ってるタイプだな。こうゆう奴には一発、渇を入れなければいけない!

俺の野生の......いや、二次元の本能がそう訴えてきている!

「何が中身だ!お前ら三次元女子はいつも、【わたしぃーやっぱぁー、見た目よりぃー中身だと思うんだよねぇー(カワボ)】こう言ってるが実際は、【けっ。まじでブスとか無理なんだけど(ゲスボ)】とか思ってるんだろ!

「は?彼女いないからって調子のんな!」

「いるぞ?彼女」

「え......?」

いや、そこでまじで驚かれるといくら三次元女子とはいえ傷ついちゃうから!

「俺は陽菜ちゃんという天使と付き合ってる!結婚したいとも思ってる!」

「「「「......」」」」

なんでこいつらまた黙りだしたの?それになんで急に俺と伊奈日陽菜を交互に見てるんだよ!

ん?伊奈日、陽菜?陽菜......あ!

「いや、その陽菜ちゃんっていうのは......」

こいつらは誤解をしている!それもこの世が吹っ飛ぶくらいに!けどそれで、三次元の世界が吹っ飛びその衝撃波で二次元の世界に行けるような空間が出来たら最高......ってそうじゃない!

なんとしてもこの誤解を解かなければ!

そう思い口を開こうとした瞬間、俺の耳を疑うような言葉が聞こえてきた。

「そうだよ!私、オタかし君と付き合ってるの!」

「は?」

こ、こいつなに言って!

「「「えー!」」」

これは手遅れだな......。まっ、俺には関係......ある!ありまくってる!初めて三次元女子と関係を持ったのがこれとか終わってるだろ!

「黙れ三次元女子ども!キーキーうるさいぞ!ここはモンキーパークか!」

これだから三次元女子は困るんだ!二次元の女の子は

「ふふふ(カワボ)」こう笑うんだぞ!?三次元女子にも少しは学んでほしい!

「モンキーパークだってwうけるんだけどw」

俺には三次元女子のいう、うけるがちっとも理解できない!俺の今の発言でうけるなら、芸能人とかのギャグ見たらどうなんの?うけすぎて顎外れて話せなく......。

よし!芸能人!がんばれ!そして三次元女子の顎を外せ!

「と、とにかく俺は付き合ってないからな!」

「デレてるし!」 

「デレてない!」

「はいはいみんな静かに!」

静かにとか言っときながら先生も笑ってんじゃねえよ!

「それじゃあ斎藤君は、伊奈日んの隣に座って?」

「あそこの一人席空いてるじゃないですか。あそこは駄目なんですか?」

「付き合ってるなら隣同士の方がいいでしょ?」

「だから付き合ってません!」

流石にやりすぎたと思ったのか、伊奈日が手を挙げた。

「先生~さっきの冗談です!」

「え!?そうなの!?」

「はい。すみません。みんなもごめんね!」

周りからは、「だよねー」だとか「よかったー」とかいう声が聞こえてきた。だよねーは分かるけど、よかったーってどうゆう意味だ!?さてはレズ!そりゃクラスの99%が女子なら仕方ないといえば仕方ない。

「って事なんで俺は一人席で......」

もう疲れた......。三次元女子を相手にするのがこんなにもきついなんて!今すぐに二次元の女の子に癒してもらいたい!

と、そんな事を思っていると伊奈日が俺の方に駆け寄ってきた。

「私の隣、座って?」

「わかったから腕に抱きつくなああああああ!」

俺の本日三回目の叫びは校舎全体に響き渡った。

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