黒い服

@doz

第1話

母「また、パンクしたの!」

 「新品なんて買わなよかったのに!」

父親は黙ったままだった


それを横にみながら散歩に出た

寒いからジャンパーをきてフードをかぶって歩く

我が家の車のタイヤをパンクさせたのは俺だ

親がパチンコに行く姿を見ると、どうしても腹が立ってしかたなかった

そして昨日やったのだ

金があったらしく、その日のうちにパンクさせた3本とも新品になっていた

次の日、つまり今日なのだが、またパチンコ屋に車があったのだ

新品のタイヤのうちの車が

一気に頭に血が上った

一度家に帰り、先の尖ったドライバーを持って再びパチンコ屋に向かった

まだ車はあった

周囲を確認しつつ中腰の姿勢のまま、体重をかけて刺していく

もう、何回もしているからなれている

昨日は3本だったが、今日は4本ともキチッとしとめた


こうしてパンクさせると胸のムカツキがスーッと消えていく

公園によって懸垂をして帰ることにする


俺は仕事はしていない、ネット証券に100万程度貯めていた金を入れているだけだ

2ちゃんねるや、チャットなどをしていても心は晴れることはなかった

毎日毎日同じ日々の繰り返し

テレビに同じ年位の若者が映ると凄く輝いて見えた

自分とは何もかも違っていて違う世界の人間、いや生き物に見えた

しかし、幼稚でバカな連中とも同時に思えた

25にもなるとニートなんてやっていられなくなる

まあ、俺の場合、中学もろくに行かず引きこもっていたので10年こんな生活をしている事になる。

失われた時は幾らお金を積んでも戻ってこない

いくら待っても戦争も天変地異も起きない

自分で自分を変える時が来たのだと思い始めていた

しかし、何をどうすればいいのか分らない

がんばり様が無いのは辛い

そこで車をパンクさせるのだ

これがメッセージであり、ストレス解消であった


もう1つ趣味はある

筋トレだ

家にバーベルを置いて一日おきに鍛えていた

ベンチプレスは120キロ

デッドリフトは180キロあがるようになった


バーベルを上げる前に集中をする

この自分と真剣に向き合える時間は凄く貴重で贅沢な時間だと思った

食事も意識して多く採り

身長178センチで体重は105キロになっていた

体格、体力から自信はついていた

まずケンカになれば負けることは無い

最終的にほとんどの人間に勝てるという事は、男にはかなり強い自信を与える源になる物なのだ。


俺の家の前は大きな公園になっている

子供達の格好の遊び場だ

部活などで走っている学生もいる


ある日、公園を家の中から何気なく見たら

ベンチに女子高生が座っていた

一人で足を組んで座っていた

まだ朝の10時ごろだ、学校はどうしたのだろうと思いながらも

自分の部屋に戻り、デジカメを持って公園がよく見える二階に上がった


窓からそのまま撮ると、姿が見えてしまう

窓にはカーテンがあった、窓を開けカーテンを少しだけ開けて

その隙間から撮ることにした

光学を最大の10倍にして女子高生を撮った

全体像を撮った

離れていたので、太もものアップだけとか、顔のアップは光学だけでは無理だった

連写にして一気に10枚程度撮っては隠れて、気づかれて無いか確認して

また一気に10枚程度を撮って、を繰り返していた


途中で確認のために見ようとしたら、こっちに気づいた目が合った

少し離れたベンチにこっちからは横になる体勢で座った

俺は気にせずに撮りつづけた

また、目が合ってどっかに歩いていった

俺は自分の部屋に戻り、画像をパソコンに取り込み確認した

その中から一番いいのを選んで、ベッドに入りパソコンの画像を見ながら

オナニーをした


そんな日々を過ごしていた



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