妄想少年
@syuu
第1話
2月7日春の気配が近づく今日僕は一人で歩いている。
行く宛はない。
ダウンのコートは暑すぎたかな。首筋に汗がにじんでくる。
空を見上げた。空飛ぶ車 チューブ状の電車とかが所狭しと走っている。
ここは24世紀。第三次世界大戦後のお話である。
妄想だけど。
鳥と電線があるだけ。
田舎と都会の中間、ここはそんな街の田舎の部分。
やることもなく外に出てみたけど外に出たってやることは見つからない。
朝九時じゃ店もやってないし当たり前だ。
上を見上げて息を吐く。白くもない。少し寒いくらいの方が好きだ。
とぼとぼとあてもない旅を再開する。
こうして歩いてると昔砂漠でさまよい歩いたことを思い出す。
ひとりまた一人と仲間が倒れていって・・・
僕が飢えと渇きで倒れたところになぞの美少女が現れて僕を助けてくれたんだっけ。
まあ、妄想なんだけど。
腕時計を確認する。9時半。時間が経つのは遅いなぁと人生で百回目くらいの確認をして人生で一万回目くらいのため息をつく。はぁ
ここは砂漠じゃないし僕は飢えと渇きで倒れてもないけど前から美少女でもない子が自転車にのってやってくる。何言ってんだ。
「おや?明原くんじゃぁないですか」
と自転車にのった少女。
「おや辻崎さんじゃぁないですか」
辻崎は僕のご近所さんで同級生で僕の彼女である。
最後のだけ妄想のネタだけど。
「何度も言うけどあけみちゃんでいいって」
「それを言われるたびに言ってるけど僕のことも優希でいいよ」
「お互い下の名前で呼び合うとか付き合ってるみたいじゃん・・・」
もじもじ言う。
相変わらず価値観のわからない子だなぁ。
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