最弱勇者のモットーは「他力本願」

@frog

第1話 始まりは突然に、と言っておこう

取り敢えず、はじめに言っておこう。

これは無理ゲーだ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


その日も随分に草臥れた日だった。

何もない日常、なんの面白みのない知り合い、大きな変動の家。

よく、人生は希望で溢れているとか、バカ言っている奴がいるだろう。

あれは嘘だ。人生の成功者の台詞だ。

失敗者の俺が理解するわけにもいかない。剰えその言葉で誰かを救おうなんて思ってはいけない。


「あー、つまらんない。ま、異世界に行こうが行かまいが、俺は他人任せだけどな」


俺は自分の生を持て余していた。

ああ、何とも厨二臭い台詞だ。

だが、所詮、言葉。まぁ、されど言葉か。

ただの俺のちっぽけな思想だ。


「それにしても何も無いよなぁ」


学校の屋上で、空を見上げていた。

何も無い、何も無いしかないではないか。

だけど、俺はまだ、自分の存在を理解していなかったのかもしれない。

ああ、何とも厨二臭い。


「あー、あ?何だ、あの光は」


次の瞬間、俺こと富士宮 翠は光に呑まれるのであった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


何度でも言おう、どう考えてもこれは無理ゲーだ!

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