第7話 異世界の真実

 マミーを牧場に預けに行ったら既にマミーは預けてあった(マミ子)ので、無駄足を踏みつつ転移石で仲間の待つ街に戻ります




 街の入り口まで転移石トランストーンで移動する。


「待ってたのじゃセラ」


 そこに居たのはボロボロになったブルセラ子4だった。

 こいつは仲間を引き連れて、ネルルの求める花を探しに出発した軍団のリーダーを任せていた奴だ。


「どうした? お前ひとり? まさか……」


 ブルセラ子4の姿を見ると無残な姿だった。

 俺や俺の仲間の攻撃を受けても、肌は傷つかず、体操着が破けるだけだ。。

 戦闘不能になったとしても、大事なところを隠す布地が全て無くなり辱めを受けるだけで、体はぴんぴんしている。


 それがどうだ。全身傷だらけの痣だらけ。

 すべすべした幼女(っぽく見えるが18歳以上)の柔肌がそこかしこに擦り切れ、薄汚れている。

 逆に体操服は、エロゲーでのお約束のように、胸やら股間が破れるのではなく、袖やら腹部やら、露出してもあまり興奮に結びつかないような――そっちはそっちで愛好者は居ると思われるが――場所が破れたりほつれたりしている。


「仲間は全滅したのじゃーセラ。MPも尽きてなんとかわっち一人だけ逃げ延びて来られたのじゃーセラ。

 泥子たちが体を張って魔物を食い止めてくれたおかげのじゃセラ……」


 俺は、まず一番気になっていたことを聞く。


「それで花は?」


「見つけたのは見つけたのじゃセラが……。

 ちょうど魔物に襲われて逃げている途中だったのじゃセラから……」


 なるほど。目的不達成ミッションインコンプリートということか。


 その回答を得て、俺は二番目に気になっていることを聞いた。


「で、やられた泥子達はどうなった? 素材になって転がっているのか?」


「あんな場所で死んでしまったら素材にも経験値玉にもならないのじゃセラ。

 魔素に浸食されて分解されるか、魔物の餌になるのが順当なのじゃセラ」


 そういうことか。

 俺だけではなく、幼女(っぽい18歳以上)モンスターたちも、ゲーム的な振る舞いができるのは、やはり俺がゲームで訪れることができた安全地帯セーフティゾーンのみということか。


 あれだけの魔物軍団が全滅し、素材も経験値も得られなかったのは痛いといえば痛いが、まだまだ資金にもレベルにも余裕はあるし、まかり間違って俺が赴いていた場合に起こったかもしれない不幸に比べると全然ましな小ダメージだ。


「わかった。報告ご苦労だった」


 いいつつも、よれよれのブルセラ子4を見てさすがにいたたまれなくなり、あまりどうでもいいこともついでに質問する。


「それで、お前は傷だらけだが、それは薬草で治るもんなのか?」


「一晩寝るか薬草であれば治るのじゃセラ。くれるのじゃセラか?」


「まあ、目的は果たせなかったとはいえ有益な情報を持ち帰ってくれたからな。

 花のある場所が見つかっただけでも儲けものだ」


 俺は薬草を取りだし、ブルセラ子4に与えてやった。

 ブルセラ子4はそれを口に含み、モグモグと咀嚼して顔をしかめながら飲みこんだ。


「苦いのじゃセラ……」


 いいつつも、ブルセラ子4の傷は回復した。

 とはいえ、全体的に薄汚れているのには変わりない。

 体操服も破れたままだ。もうどういうシステムなのかさっぱりわからない。


 とにかく。一度は失敗したものの、これで諦めている場合ではない。

 幸い明日はまだ次の目的地に旅立てないので一日暇を持て余している状態だ。


「よし、新たな作戦を立てる。グリスラ子達と合流しよう。

 夕飯を食べながら、会議だ」


「兄者たちが捜索に加わるのじゃセラか?」


「まさか。場所はわかった。そして魔物の強さもわかった。

 となれば人海戦術しかないだろう。

 今日送り込んだ魔物たちで足りなかったのなら、その2倍、いや5倍の戦力を集めて犠牲を覚悟で花の取得に取り掛かってもらう。

 何体かはレベル上げも必要だろう。

 ブルセラ子4、引き続きリーダーを頼むぞ。

 お前もレベル上げは必要だな。できれば生きて帰ってこい」


「また、派遣されるのじゃセラね……」


「ああ、俺が危険に晒されるわけにはいかないからな。

 だが、安心しろ。

 第二期捜索部隊。

 お前の話を聞きつつ、二割ぐらいは戻ってこれるような多数のモンスターで編成する余裕のある軍団にしてやる」

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