ゲーム世界にトリップしたからモンスターハーレム作りますっ!
東利音(たまにエタらない ☆彡
第一部 幼女っぽく見える18歳以上のモンスター達
第1話 グリスラ子
俺はロリコンだ。そして勇者やってます。
勇者といっても、選ばれし者とか血統とかそんな大層なものじゃなくって。
俗にいう、異世界? なんかファンタジー的な世界へと召喚されちゃったんだよね~。
世界というか、まんまゲームだ。よくあるタイプのゲーム内世界への召喚である。
ただひとつ、普通と違うのは……。
そのゲームが、18禁のロリコンユーザ向けのファンタジーRPGだったということだけである。合掌。
突然異世界に放り込まれたわけだが。
やり込んだゲームである。なんとなく勝手はわかる。
装備を整えた俺は早速旅に出た。旅に出るといっても、そこいらのモンスターを狩って経験値を得て宿屋に戻るといういわゆるルーティーンを始めるだけだ。
すぐに他の街へ向かったり魔王の城を目指すなんてもってのほかだ。
ちょっとずつ、経験値を溜めて、金を稼いで装備を整えて。なあに時間はたっぷりある。少し面倒くさいが、余裕を持ってレベル上げをしておけば、死ぬことなんてほとんどないくらいの難易度の低いゲームだ。なんてったって、エロゲーなんだから。そこにストレスは要らない。
楽ちんモードで世界を救える=魔王を倒せる……はずだったのだが……。
とりあえず最初の村を出て散策する。
始めに出くわしたモンスターは、グリーンスライムだった。
名前はスライムだが、元のゲームの仕様上、女の子(見た目は幼女、年齢はちゃんと18歳以上)の姿をしている。
服の代わりに緑の粘液を纏っているのがグリーンスライムのグリーンスライムたるゆえんである。
えいやっ! っと装備している剣を振り、グリーンスライムを攻撃する。
思った通り、ダメージは与えているのだが、グリーンスライム(幼女、ただし年齢は18歳以上)は傷つかない。身にまとった粘液が剥がれ落ちるだけである。
きちんとゲームバランスというか、プレイヤーへの訴求効果を考えられたこのゲーム。だいたい初めて出会った敵は3回の攻撃で倒せるようになっている。
一撃目であられもない姿になって(ただし、胸部やおまたは隠れている)、2撃目でお胸がはだけて、3撃目で全裸(モザイクはちゃんとかかっている)になるという親切? 設計なのである。
どういうわけだか、バトルの間はターン制が敷かれているようで、一度攻撃すると再度の攻撃が躊躇われた。体が動かないわけではないのだが、それをするのがとっても悪いことのように思えて動かすのに躊躇しているうちに、グリーンスライムがぽよん! っと体当たりをしてくる。
140センチくらいの幼女(にみえる18歳以上)に突撃されたところで痛くもかゆくもないのだが、それはちゃんとダメージを食らうようで、HPがわずかばかり減少した。そう、ステータスも可視化されているので安心だ。
グリーンスライムのターンが終わると体を動かすことに罪悪感が無くなるので、改めて剣を振るって攻撃する。
つるんぺたんとした胸部が露わになり、グリーンスライムの表情にも恥じらいが浮かぶ。
役得役得と考えながら、グリーンスライムの突撃を受ける。
運よくダメージを食らわなかったようだ。まだまだHPには余裕があるからどうでもいいけど。
さてと、ゲーム通りならば、最終ターンだな。と、剣を構えて相手を見つめる。
恥じらいの表情を浮かべたグリーンスライムは悔しそうな表情をしている。
あっちはあっちでターン制の縛りにあって、俺が行動をとるまで動けないのだろう。
薬草なんてアイテムは3つほど所持しているが、それを使って延命してやったところで意味はない。
なので俺は無慈悲に剣を振るった。どうせ体にはキズがつかない仕様だろうし。
「ぷるぷる~!!」
という悲鳴なのかなんなのかわからない言葉を叫んで、グリーンスライムは体を横たえた。
うーん、大事なところを隠していた粘液は全て吹き飛んで無くなっているがモザイクはさすがにかかっていない。大丈夫なのか? なにが?
『グリーンスライムが仲間になりそうにこちらを見ている』
反抗する意思を失くしたグリーンスライムは、そのままなよなよと体を起こし、こっちを見ている。
選択肢はみっつ……。仲間にするか、経験値玉に変えて俺の経験値を上げるか、他の仲間と合成するか、それか素材に変えてあとでまとめて売り払うか?
それがゲーム内での仕様だった。
それが、この俺が召喚された世界でも同様らしい。頭の中に選択肢が浮かんでいる。決断すれば、実行されるのだろう。
仲間にしたところでグリーンスライムはさして強く成長するわけでもなく、役に立たない。
牧場みたいなところに預けてコレクションするために――フルコンプリートを目指すのであれば――一匹ずつは確保しておくのが常道ではあるので、仲間にすることを選ぶことにする。
とりあえず一人で旅をするよりはマシ。壁ぐらいには使えるだろう。この付近の敵と比べると攻撃力的にも頼りにもなる。
「ありがとうぷる~。お兄ちゃん! 一生ついてくぷる~」
そういってすり寄ってくるグリーンスライムあらため『グリスラ子』。
とりあえず役に立たないのは承知でパーティメンバーに入れてやった。役には立たないとはいえ邪魔になるわけでもないし。一撃で死ぬわけでもないからしばらく連れ歩くのもいいだろう。
ちなみに、ちゃんとした名前に命名してやることも可能だったのだが、スライム一匹ごときに名前を考えるのも面倒だったのでデフォルトの名前を使用した。
次のモンスターに遭遇するまで軽くグリスラ子と世間話をする。
「どうしてお前達は人間を襲うんだ? あと倒されたら簡単に仲間になるっていうのが理解できないんだが?」
「ああ、それぷるね~、お兄ちゃん」
見た目は幼女だが、法規制的な問題から、18歳以上だとわざわざ明記されているモンスターたちは俺と年齢はそう変わらないはずなのだが、ゲームの中での呼称はほぼお兄ちゃん、あるいは兄様、おにいたんなどで統一されていた。
それが、きちんと反映されているらしい。
「闇の波動ぷるよ。暗黒の波動が人を襲う衝動に駆りたてるぷる。
だけど、一度倒されると頭がすっきりして闇の波動の支配から逃れられるぷる~」
答えながらグリスラ子は体をプルプルと震わせた。胸は無いので揺れない。ああ、ちなみに体を纏う粘液は仲間になった時点で回復している。親切設計だ。この手のゲームにシビアな設定はいらないのである。
「またお前と同じグリーンスライムに出会うかもしれないけど、戦うことに疑問は感じないのか?」
「大丈夫ぷるよ。死んじゃうわけじゃないし。仲間を闇の波動から解放させてあげるのは
そういって頑張るを体でポーズをとって表現するグリスラ子。
まあ、期待してないし、そのうち牧場行きが決定しているのだが、頑張ってくれるという気持ちに水を差しても悪いので「ああ、頼りにしてるよ」と適当に返しておく。
そういうわけで、仲間一匹増えたものの、経験値もお金――の元となる素材――も得られていない。
まだまだ時間はあるし、今日の内に稼げる分だけ稼いでやろうと次の獲物を求めて俺達は歩き続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます