首領

 男が険しい顔で何事か思案していると、不意にドアの開く音がした。


「誰だ?」


「……」


「この執務室には、誰も入るなと言ったはずだ?」


 男が苛立ちながら振り向くと、訪問者は背中を足でかきながら言った。


「ニャ〜」


「やーん、ネコちゃんはいいの〜」

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