ミス・エンジェル

「……サトル」


 目覚めると枕元に見知らぬ少女がいて、僕は飛び起きた。


「わっ、誰だっ!」


「サトル。あなたは天界の血をひく者なのです。さあ、私と天界へ帰りましょう」


「いや、でも」


「あなたに拒否権はありません」


「でも、あの、サトルんちは隣ですけど」


「え」


 少女は懐からメモ帳を取り出して眺めると小さく「あ」とつぶやいた。


「ほらね。早く出てってくれよ」


 少女はメモ帳を鞄にしまうと済ました顔で言った。


「……あなたに拒否権はありません」


「やけくそか!」

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