　族長は私に言った。

「この世が混乱に陥った時には、勇者が現れ民を救うのだという」

「勇者……ですか？」

「左様。そして、お前には勇者を探す旅に出てもらいたい」

「勇者とは、どのような人物なのですか？」

「それはじゃな……」

　族長は目を閉じて語り始めた。

「その者、金の髪をなびかせ、緑の衣を纏い、銀の剣を振り、右頬に一筋のあざ、左眼に泣きぼくろを持ち、なで肩で猫背、アヒル口でハスキーボイス、小柄でショートカット、ぱっちり二重にこっそり八重歯、生意気Ｆカップボディに——」

　長旅になりそうだ。

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