24. コスプレクイズ大会
コスプレペット自慢大会は吾輩達の惨敗に終わる。
が、MVPとして特別にペット用歯磨き粉を贈呈された。こんな物、歯ブラシを持てない猫が使うかよ……。
米60kgはナンバー5番のアイドル衣装のハムスターに贈られる事になった。ハムスターが米なんか食うかよ……。人間の餌にしかならんからペットはいい迷惑だよまったく。
光矢はプロポーズに答えてくれなかった真弦に対してショックを受けていた訳でもなく、けろりとした表情で吾輩を抱えてステージから降りた。
舞台裏の出口の階段を下りると、出場するまで裏の駐車場で待機させられている真弦が凄い形相で睨んでいた。
「真弦、ゴメーン、米貰えなかったぜ」
悪びれもせずに真弦に手を振る光矢を見た他の出場者や関係者から凄い数の視線を浴びた。
続いて、真弦と思われる人物を特定され、真弦本人が凄い視線を浴びて驚いていた。
「ふざけんな! 何でステージであんな事言うんだよ? すげえ恥ずかしいだろうが」
真弦の顔は羞恥で真っ赤になっている。
隣にいた美羽は視線を浴び続けている真弦に対してオロオロしていた。
「んじゃまー、俺達は先に客席で待ってるぜー」
「この阿呆!」
コスプレの隊列の中にいながら光矢に色々と罵詈雑言を叫んでいる真弦が可哀想な気がしてきた……。「ハゲ」だの「糞馬鹿野郎」だの低俗で下品な事を叫んでいるみたいだが、光矢は荷物置き場に置いてあったカメラに夢中で聞いていなかった。猪突猛進系の馬鹿だけどもうハゲではないと思うぞ。コスプレのヅラ取った後の美羽と似たような短髪なだけで。
「一方的に光矢君に愛されてるよねー真弦ー」
美羽は世間体や外面を保つ為に怖い位ニコニコしているが、本人的には全く面白くないみたいだった。
吾輩はペット用キャリーに入れられ、観客席から真弦達の勇士を見る事になる。
コンテスト会場は撮影OKなので、キャリーを肩から提げた光矢が妙に燃えており、審査員席手前のポールの所までせり出してカメコ達と一緒にカメラを構えている。
人間のコスプレコンテストは参加者が一斉にステージに通され、数を減らして個人のアピール時間を稼ぐ為に○×クイズが繰り広げられている。
中には真弦みたいに際どい格好の女性がちらほら見える……。
クイズでレイヤー達が移動するたびにカメコも移動して一種の波の様になっている。荷物となって巻き込まれているだけの吾輩は既に酔いそうだ……。
クイズによって人間が半分ほど減った。
真弦と美羽は無事に残ってステージの上にいる。ナルシストの馨とピザのつくねは当然の様にステージの中央で目立ちながら残っていた。
「真弦~決勝頑張れよ~!」
光矢は妙にデレデレしながらステージの上にいる真弦にカメラを持ちながら手を振っている。
ワッと会場が湧き、真弦に視線が集まる。いたたまれなくなった真弦は光矢を恨めしそうに睨みつつ美羽の後ろに隠れた。
司会がクジを持って来て、それぞれ出場者に引かせる。
出場者は対戦形式でアニメのクイズに答えて勝ち上がる仕組みらしい。
○×クイズで真弦を入れて16人のコスプレイヤーが残っていた。
なんつーかコレ、コンテストというよりクイズ大会だよな。
レイヤーのアピール時間はちゃんと用意されているようだな……。
クイズはとてもマニアックらしく、審査員がコスプレの得点を入れてあらかじめ勝敗を分けるらしい。
コスプレアピールはエントリー順では無く、クジの番号によって始められるようだ。
1番から順に始められ、2番で美羽に回ってきた。
「えーっと、青葉町の牛山美羽です。タイトルはおしゃまな魔女マキさんです」
美羽は恥ずかしそうに、観客の好奇な視線と大量のカメラにオドオドしながら自己紹介を始める。
「君、可愛いね。今度のタウン誌の表紙飾らないか?」
審査員席の真ん中にいたタウン誌の編集長が、他の審査員と美羽がトークをしようとした所をぶった切った。出場者はステージ側から見ると右から順番に質問されるのだ。
審査員は特別ゲストを含め5人だ。
「編集長、コンテスト中にナンパは禁止です!」
司会が何とか軌道に戻そうと突っ込みを入れると、会場が笑いのムードに包まれる。美羽のコスプレアピールは和やかに終わる。
続いて、3番はつくね……。
「ぎゃー」だの「ひっこめデブ」だの罵声が浴びせられている。
だが、つくねは動じずに仮面ライダーの変身ポーズを演じて見せた。デブの割にキレのいい動きだ。
「変身! とお! たあっ!」
罵声の中、観客に見事な殺陣を見せつけて静まらせる。
「緑川区の西川寛!」
本名。つくねはそれだけを名乗ると颯爽と引っ込んで行った。
呆気にとられている審査員(さっきの編集長)の質問は受け付けないみたいだった。
「えー、西川君でしたー」
司会が紹介を終えると、パチパチとまばらに拍手が起こっていた。
9番でついに吾輩と光矢が大絶賛で推している真弦の番が回ってきた。
「真弦カッコいい―!」
真弦がステージ中央で扇を広げただけで光矢はコレだよ……。
恥も何もかも捨ててカメラ構えながら叫びだしたよ。まあ、こんなに美しく着飾ってセクシーな姿してる真弦なんてごくレアなケースだからな。
だが、このアホに釣られて大歓声が沸き起こった。
「真弦ちゃーん!」
「真弦ちゃーん素敵―!」
男性陣からヒューヒュー声が上がっている。
真弦のダイナマイトボディが薄っぺらいコスプレ衣装に包まれているだけで惜しげも無く晒されてるから歓声が起こらないのもおかしいのかもしれない。
カメコ達がこぞってレンズをズームして下から煽っている。光矢のカメラから不死鳥マキのトレードマークの白いふんどしがちらりと見えていた。
「青葉町の天上院真弦どす。そんなに『ちゃちゃ入れんといておくれやす』!」
不死鳥の京風口調で名乗りながら、ちゃっかり扇で股間部を隠した。
ウヒョー! 会場の男性陣が光矢含めてほぼ悩殺されている。こええ……。
「君が噂の真弦さんだね。すっごい際どい格好してるけど大丈夫なの?」
真弦は審査員のシグマ役の人に真っ先に際どい姿を突っ込まれた。
運良く本物の仮面ライダーに当たって良かったな! 目当ての羽瀬和成じゃないけど良かったな!
「はい! あうーえーえー……あー」
本物の俳優と会話出来た真弦はすごい緊張して急に棒立ちになった。
そして、
「本物のシズマさん素敵……ふぐぅ!」
鼻血を吹き出してうずくまってしまった。天に輝くような芸能人のオーラに、地下で輝かずに一生を終えそうな一般人は完全にやられてしまったのだろうな。
「だ、大丈夫かい……?」
「はい~」
真弦は司会者に支えられて鼻にティッシュを当てて答えた。そこでアピールタイムは終了となった。
最後の前の15番で馨が呼ばれる。
「シズマさん、緑川区の畝田馨です。僕を見て下さい!」
舞台の端からマイクを使って意中のシズマにアピールする馨は、中央までをモデルウォークでゆっくりと歩いてきた。ターン。ライダーのマントが華麗に翻った。
「シズマさん、僕です。畝田馨です」
馨は猛烈な熱意を込めてヘルメットを脱ぎ、サラサラの金髪をなびかせてシズマ役の俳優に投げキスをした。
「……あー、あのー。なんかゴメンな、質問するのシズマさんじゃなくて俺で」
シズマの隣に座っていたカズシ役の羽瀬和成が気後れしながら馨に向かってほぼ素で話しかけた。その隣でシズマ役の俳優が呆気にとられてポカンとしている。
「う、うん」
馨は普通に俳優の羽瀬和成と会話していた。
「そのシズマさんの衣装自分で作ったの? すっごい大変だったでしょ? 今日もカッコいい~♪」
和成はすぐにカズシの役になりきっていつも放送されてる台詞を言っていた。ガッカリさせたファンに対してのリップサービスってやつだろうな。さすがプロだ!
「そーなんだよ、聞いてくれ! このスーツは生地の問屋街を駆け巡って公式を忠実に再現した僕の最高傑作なんだ。縫製は全て僕だけど設計はパパに頼んで……(あーだこーだ中略)……!」
調子こいた馨の衣装の説明がクッソ長いっっ!
妙にキラキラ輝いている馨は和成に向かってマシンガンの様に自慢しまくっていた。観客はまるで無視だ……。
「……説明が長い! もういいよ、解ったよΣの良さが! ありがとうな!」
和成は素に戻ってまだ説明途中の馨に突っ込みを入れて中断させた。のほほん系少年カズシの役をやっているが、根は割と短気でキツイ性格のようだ。
「僕の良さが解ってくれたようだね? 嬉しいよ!」
馨は上から目線で同年代の和成を見ていたようだが、自分のこだわりやアピールポイントを言えて満足しているようだった。そして、妙に興奮しているのか、ほんのり頬が赤くなっていた。
既に時間が押していて、馨が押しのけられるようにして16番がすぐに呼ばれた。
○×勝者のアピールの次はクイズ大会が待っていた。
出場者それぞれがアピールタイムに貰った得点を持ちながら、クイズに正解すると特典が加算されるシステムである。
現在、アピールタイムで真弦が貰った得点は5点。満点ともいえる。共に満点なのは美羽と馨、その他気合いが入った女性陣だった。つくねは市長の同情票で1点だ。
出場者は16人いるのでAとBの2ブロックに分けて対戦する事になった。
Aブロックは美羽とつくね。Bブロックは真弦と馨である。
それぞれ優勝賞品はネズミーリゾート3泊4日ペア宿泊券だ。
「さあ、Aブロックの方々が席に着いたので始めましょう! 第一問!」
『若草市を代表する、今期の超高納税者で日本一になった人は?』
ピコーン! 回答者が狼狽えてる中、美羽が素早くボタンを押していた。
「天上院朱鷺宗!」
何か知らないけど、回答席にいる美羽が舞台袖にいるだろう真弦をチラチラ見ながら妙に燃えてきている。
あ、天上院朱鷺宗って真弦の親戚だったような……。超高納税者って、考えられない程すっげえ金持ちなんだろうか。
「やるなー、美羽ちゃん」
客席で光矢が美羽の勇士を眺めて感心している。おいおい、恋敵にネズミーゲットされたらお前の真弦が何日か取られちゃうぞ? 吾輩の心配も無視でAブロックの美羽を手に汗握りながら応援していた。
『アニメ、少女戦隊セイレイファイブの指令……』
ピコーン!
「前田進っ!」
つくねが連続早押しで得点を重ねて美羽や高得点者を追いかけてきた。彼は頭がいいのか、時事問題や郷土歴史問題等を次々と正解して他の回答者をけん制して行った。
計10問のクイズが終わると、スタート時は1点しか持っていなかったつくねが王者に君臨していた。
真弦のいるBブロックのクイズでは波乱が巻き起こっていた。
やはりここでも、審査低得点の頭の良さそうな女装シスターが高得点者を追い抜かそうとしている。が、既に3点とか持っている武将コスプレの歴女みたいな奴が食いついて早押しのデットヒートを繰り広げている。
回答者がまばらに答えて行って、特に何も答えていない真弦と、答えたけど回答を間違った馨が他の3人(シスター、歴女含む)に並ばれる。
「さあ、ハラハラドキドキの展開です」
8人中、5人が5点を持ったまま、10問目が出される。
「Bブロック最後の問題は僕から行くよ!」
羽瀬和成が舞台に上がってきた。Aブロックの出題はΣの俳優がやっていたからお約束だろう。和成と同年代の女子だろう声がキャーキャー黄色い声援を送っているのがちらほらと背中から聞こえてきた。
真弦、目当ての和成君だぞ! いっちょ気合いを見せて頑張れや!
「真弦ー! 根性見せろぉぉぉ!」
光矢はまだ優勝のチャンスがある真弦とネズミーに行きたくなったらしく、応援団並みに声を張り上げて客席から真弦に声援という怨念を送っていた。
何やら、回答席からは和成が問題を言う前からガチャガチャとボタンを押し始める輩が出始めた。必死の形相の馨と女装シスターがボタンで競り合っている。
「真弦ー! ファンなら羽瀬和成の前でいいとこ見せろぉぉぉぉぉ!」
客席から光矢の雄叫び。声援が真弦に届いたのか、彼女はビクッとなってからボタンの競り合いに加わった。
「うおおおおおおおおおおっ!」
触発されて、武将コスの女と露出系魔女が続く。
「ふんぬううううううううう!」
「キィィィィィィィィィィ!」
出題者の和成はしばらくガチャガチャボタンを押しまくっているコスプレイヤー共を呆然としながら見つめていた。芸能人が怯えているぞ!
お前ら、そんなにネズミーを3日間満喫する利用券が欲しいのか? と言いたげな真顔の和成が黙ったまましばらく大スクリーンに映し出されていた。
ボタンで競り合うオタク共を尻目に、和成はカンペを確認して呼吸を整えた。
マイクを持ち直してから、
「仮面ライダーΣに登場するカズシを演じる僕、羽瀬和成は二世俳優です。では、僕のお父さんは誰?」
回答席がガチャガチャギャーギャーやってる中、何とか問題を言い終えた。
コレ、和成ファンにはサービス問題じゃないか?
ピコーン!
回答ランプが点灯したぞ!
「羽瀬和彦ぉぉぉぉぉぉ!!」
真弦の大絶叫が回答席から聞こえてきた。
おお、当然ながら正解してるな。
だが……。
「残念! 回答権は15番の畝田君です」
「なにぃぃぃぃ!?」
裂帛の気合いと共に正解した筈の真弦は机の上に突っ伏して絶望する。
回答ランプが点いている馨はコホンと咳をして呼吸を整えた。
「馨ぅぅ! 和成きゅんはお前の物だー! 俺の屍を越えて行けぇぇぇ!」
机にでかいおっぱいを押し付けて伏せながら涙ながらに馨に訴える。確かに今の真弦は犬死にした武者の屍そのものだった。死ぬ間際の台詞が腐っているのはご愛嬌で。
真弦の断末魔を聞いた馨は目配せして無言で頷く。
馨はサラサラの前髪を掻き上げると、
「羽瀬和彦!」
華麗に答えた。そして、真弦に振り向くとグッと親指を突き出した。
「正解です。Bブロック優勝は畝田馨君です!」
司会者が馨に向けてパァンとクラッカーを鳴らした。
舞台そでに控えていた女性スタッフが駆けつけてきて優勝商品の大げさな目録を和成に渡した。
どうやら、Bブロックは優勝目録を和成から贈呈されるようだった。
「おめでとうございます」
和成はステージ中央に出てきた馨に向けて満面の笑みを浮かべていた。
……対面にいる馨は和成の顔をじっと見たまま棒立ちで動かない。至近距離でプロの美青少年に笑顔を向けられた真正のホモが惚れない訳が無かった!
「和成君! 羽瀬和成君……僕は……!」
馨は衝動的に和成が持っていた優勝目録を跳ね除けた。
「え?」
参加者の妙な行動に驚いた和成が不意を突かれる。
ぎゅっ……!
馨が芸能人の羽瀬和成をきつく抱きしめていた。
ウホッ……。
会場内の腐女子と思われる女性が息を飲み、そうじゃない女性と男性はただ驚いて呆気にとられていた。
「光矢ーっ! カメラカメラ!」
馨の珍行動で真弦が回答席から生き返り、客席にいて呆気にとられていた光矢に指示してきた。
「貴重な生のBLシーンを収めておくんだ!」
「お、おうよ……」
光矢は真弦に言われるままに、ステージ中央で抱き合っている美しい容姿の男二人をファインダーに収めて何度も連写したのだった……。
会場内がしんと静まる中、馨は和成を抱きしめ続けていた。
ポンポン。しばらく馨に抱きしめられていた和成が我に返り、芸能人らしく機転を利かせたのが軽く軽く抱きしめ返して背中を叩いてあげる事だった。
「……あ、和成君、ごめん。つい嬉しくて」
馨は頬を赤らめたまま和成から照れ臭そうに離れた。
ワーッ! 会場内が馨を祝福する歓声に包まれていた。Aブロックで優勝してどや顔をしたつくねの大ブーイングとは大違いだな。美醜の差でこんなにも観衆の反応が違うのが思い知らされた一日である。
和成は馨に払い除けられた優勝目録を拾った。
「いいんだよ。優勝おめでとう!」
プロはやはり笑顔を崩さなかった。優勝した馨がどんな行動に出るか、和成は何パターンか予測していたようだった。若くても芸能人侮るがたし……。
「ありがとう! ありがとう!」
目録を受け取った馨は優勝の嬉しさか、ホモを無下に扱わなかった和成に対して嬉しかったのかよく判らないが、ステージ中央で男泣きしていた。
「そうだ、和成君、僕とネズミーに行ってくれないか?
涙を拭った馨が突然、賞品の入った目録を和成に突き出した。
この行動に予測が出来なかった和成は、
「いや、え遠慮しとく。お俺、撮影とイベントで忙しいし」
素に戻ってドン引きしていた。
「和成君と一緒に行けないの残念だよ。じゃあ、これ貰って!」
馨は和成にカードを握らせていた。多分、自分のメールアドレスと携帯番号が入っている名刺だと思われた。
それからすぐに、珍行動を見せた馨とBブロックの参加者は司会に押し出されるようにしてステージを降りた。
仮面ライダーショーが子供が元気な時間の昼間にやらないかだって?
何で日が落ちだした夕方かだって?
お約束の時間じゃないかだって?
それはな……。
ドドーン!
ステージに設置された花火と共に仮面ライダーΣと敵のモンスターがド派手なパフォーマンスを繰り広げているんだよ。
この花火は派手好きな市長が手を回したようだ。
客席はクイズの時と入れ替わり、前列から中央に子連れのファミリー優先のブルーシートが敷かれて家族連れがひしめき合って座っている。子供がいない大人のみのグループは端か後ろの方で立ち見しなければいけない。
コスプレ大会という名目のクイズ大会で優勝した馨とつくねはそれぞれ優勝商品のチケットが入った封筒を胸に抱いていた。呆けた様子でショーを見ている。
『助けてー、シズマさん!』
会場のスピーカーから和成の声が響く。カズシ少年が敵に捕まるのはショーのお約束のようなものだ。
「はわわわわ……」
真弦はお約束のようににんまり気持ち悪い笑みを浮かべながら鼻血を垂らしていた。ショーを見ながら色々とその後の妄想を楽しんでいるようだな。
その背後で、
「和成君……」
馨も鼻血を垂らしていた。こちらは和成の生の演技にすっかり萌えている様子だった。シズマさんシズマさん言ってたライダーオタクがどこへ行ったのやら?
鼻血を垂らしながらライダーショーを見守る真弦と馨。手に汗握りながら真剣に見てΣを応援しているつくね。彼らを近くで冷静に見られる人間は美羽と光矢しかおらず、お互い苦笑いを浮かべていた。
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