孤独のチェーン店
@boko
第1話日高屋のジャンキーチャーシュー
食事…食べること。
レストラン…お金を払って出てきた食事を食べる所
自炊…食材を買って自ら料理を作ること
料理店というものがある。店に入りメニューを見て注文する。誰もがやったことがあるだろう。そうして注文した食事が自分の席まで運ばれてくるまで待つ。待つと言ってもスマホを弄ったり、水を飲んだりと時間の潰し方は人それぞれだが。
そうして運ばれてきた食事を食べる。何も考えずに食べる。1人ならそれで良い。
だが、誰かと食事ということになると知人と対面した状態で食事をしなければならなくなる。私はその皆が当たり前に行える行為が苦手なのである。
まず喉に食事が通らなくなる。食道という名のトンネルが異常に狭まって水も喉に通らなくなるのだ。飲むことは出来る。出来るが酷く気持ち悪くなり辛い。
全員が自分の食事を見ているような錯覚に陥ってしまい緊張してしまうのだ。
「普通の人からしたらそんな事にならないから、君の気持ちはわからない。」知り合いに言われた一言だ。もちろんそんな事はわかっている。わかっているのだがなってしまうのだから仕方がない。沸騰したお湯の様に胃袋を刺激する胃液が更に食事を通さない。
集団で行う食事は私にとって苦手な物で克服したい物である。
そんな私でも多少緊張しないで食事をする方法がある。一つは自分で作った料理を他人と食す。自分のテリトリーである家で食べるから、気を張らなくても大丈夫だと体が認識しているのだろう。だから自炊は好きだ。
もう一つは慣れた人間と食事をする。慣れた人間と食事をするとあまり緊張しないから楽なのである。そこに相席という悪魔の他人召喚が行われたら私の食事通過ゾーンはたちまち封鎖されるが。
いずれにしても少し緊張する。
「そんなんじゃ社会で苦労するぞ?」わかっている。すでに苦労している。歓迎会が嫌いだ。上司との食事も嫌いだ。楽しみたいが楽しめない。
だから私は1人で食事をするのを好む。「自炊をする。」なんて事を言うと偉いやらなんやら褒められるが他人のいる空間で食事が苦手なのだから自然と自炊をするだろう。
そんな私も時々外食をする。個人経営の店は美味しいお店とまずいお店の差が激しいので、安定した味であるチェーン店。某牛丼屋等である。
前置きが長かったと思うが、そんなチェーン店の中で個人的に好きなメニューを紹介したいと思う。
日高屋を知っているであろうか?
社名 ハイデイ日高屋
公式サイトによると昭和48年にて創業された「来々軒」と言われるお店が始まりらしい。
ラーメン、炒め物、揚げ物、お酒と中華料理店にあるメニューをお手軽な価格で食べれる非常に財布に優しいお店であり、一度食事をすると会計時に次回使える大盛券をもらえるのが何度も来たくなる原因だろう。
そんな日高屋で私が紹介したいのは、看板メニューである「中華そば 390円」のチャーシューである。
中華そばではない。中華そばと一緒に入っているチャーシューである。
あの他のラーメン屋とは違う方向性の味と食感であるチャーシューが私は好きなのである。
確かに中華そばも美味しい。あの昔ながらの醤油スープ、メンマ、そしてネギと海苔。だが中華そばはチャーシューの味を最大限に引き出す補助具だと私は考えている。
ちなみに少し前からチャーシュー単品で売られるようになったが、中華そばがないとチャーシューの旨さを最大限に引き出せないのだ。
私はいつも中華そばを大盛り無料券を使用して注文している。「チャーシューが今日はどれぐらい入っているかな~。」そんな事を考えながらまるで恋人を待っている様に目をらんらんとさせながら待つのである。
そして目の前に現れるチャーシュー。 「今日は3つか。」口には出さないが少しだけ悲しい気持ちになる。だがスープの香りがそんな悲壮感も忘れさせてくれる。
スープを飲む描写とかはとりあえず飛ばそう。チャーシューの話をしているのだから。
チャーシュー単体より中華そばの中に入っているチャーシューが何故いいのか?
それは醤油ベースのスープのおかげで余分な油は流れちょうど良い油分だけが残ってくれるからだ。
実際過去にチャーシュー単品を注文して食べてみたが少し油が多いような気がした。
ちょうど良い油分になり、醤油の香りと味が染みこんだチャーシューは個人的にはラーメンチャーシューの中では一番好きである。
そして口の中に入れると他のチャーシューとは違うジャンキー感。このハンバーガーの様なジャンキー感が大好きなのである。
食感も他のチャーシューとは違う口当たりのおかげでジャンキー感が増している。
私はこのジャンキーチャーシューが大好きなのである。
中華そば=チャーシュー+強化防具
私の中では中華そばのチャーシューこそが主役でありチャーシューの為に日高屋に行くのである。
他のメニューも美味しい。餃子とか炒飯等もびっくりするほど美味しい。
だが、中華そばの中に入っているチャーシューが、私の中で一番の日高屋メニューなのである。
そんな事を日々考えながら私は日高屋で中華そばを食べる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます